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ドリトル先生と不思議な蛸
第一幕その二

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「外見だよ」
「そうそう」
「足が八本も十本もあって」
「吸盤が一杯あって」
「身体はぶよぶよしていて」
「もうお化けみたいよ」
 動物の皆も言います。
「本当にね」
「欧州じゃそう言う人多いしね」
「蛸や烏賊を食べない国も多くて」
「悪魔だって言う人もいるわ」
「そこまでね」
「それが日本だとね」
 皆が今いる国ではとです、先生はさらに言いました。
「殆ど誰も気持ち悪いなんて言わなくて」
「もう姿を見ると美味しそう」
「それで実際に食べるから」
「そこが違うね」
「もう食文化の違いを実感するわ」
「映画とかで巨大な蛸は烏賊は定番で」 
 それでというのです。
「気持ち悪いとか怖いとか思われるのが」
「それが日本だと」
「一体何人前食べられるか」
「そう言うからね」
「暴れ回る巨大な蛸や烏賊見ても」
「全然怖がらなくて」
「平気だからね」
 そんな風だとです、動物の皆もそれぞれたこ焼きを食べながら言います。たこ焼きはおソースに青海苔、鰹節も上にあってとても美味しいです。
「逆に何処が怖いの、だから」
「そんな蛸や烏賊見ても」
「特に蛸だと大きな壺用意すればいいだし」
「それで捕まえればいいって言うから」
「うん、日本人は蛸も烏賊も怖がらないよ」
 先生は言い切りました。
「図鑑を読んでもどうしたら美味しいとかね」
「書いてあるだね」
「どのお料理なら美味しいか」
「そう書いているだけなのね」
「ミズダコなんか大きくて」
 この蛸はというのです。
「人を襲ったりもするけれど」
「日本人そんなこと知らないよね」
「ミズダコは絶対に食べものとしか思っていないね」
「実際のところ」
「そうよね」
「うん、日本の図鑑を読むとね」
 蛸のその部分をです。
「人を襲うとか書いていなくて」
「どうお料理すれば美味しいか」
「そんなことを書いているの」
「そのミズダコにしても」
「そうだよ、本当に蛸や烏賊が人を襲うとか」
 そうした考えはというのです。
「日本人にはないね」
「あくまで食べるもので」
「それ以外の何でもない」
「そうだね」
「何しろイカ墨のスパゲティも」
 このパスタもというのです。
「普通に受け入れているしね」
「そういえばそうね」
「あのスパゲティも」
「考えてみればかなり特異なスパゲティなのに」
「それでも」
「普通にイカ墨を受け入れて」
 そうしてというのです。
「食べているしね」
「あれはインクに見えますよね」
 トミーもたこ焼きを食べています、そのうえでの言葉です。
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