ベルセルクの剣
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「……」
「うわぁ……」
ハルトも響も言葉を失っていた。
流れるような行列を見渡すように、それはあった。ショーケースなどという物越しではなく、直接見ることができるもの。
ベルセルクたちが作ったといわれる、石でできた剣。
大きさは、成人男性が手で刀身を掴める程度の大きさと、剣いうよりは短刀と言った方が大きさが伝わりやすいもので、実用性よりも、伝統ある芸術家が作り上げた作品のようだった。だが、その構成されている石破片一つ一つが自ら光を放っており、数メートル離れているハルトたちも肌で熱エネルギーを感じさせていた。
「こんなものまであるんだ……」
感心のような、呆れたような声を上げた。
近くの注意書きには、『触らないでね』『体を乗り出さないでね』と書かれているが、興奮した子供たちが触ってみたいらしく、親の静止を振り切ろうとしていた。
「響ちゃん」
「はっ!」
あともう少しで子供たちの仲間入りを果たそうとしていた響を我に返させ、ハルトは剣の下に設置されている台に目を向ける。
『ベルセルクの剣。未知の物質で作られており、その内部に内包するエネルギーは計り知れないものです。石でできているようにも見えますが、組成元素などは、現在知られているどの元素にも当てはまりません』
「へえ。つまり、今の技術じゃこれ作れないんだ」
そんな感想を漏らしながら、ハルトはさらに解説を読み進める。
『このように、発見された場所や時代とは全くそぐわないとと考えられる出土品を、オーパーツと呼称します』
「オーパーツ……」
ハルトはそのまま、オーパーツの解説にも目を通した。
「ナスカの地上絵、アステカの水晶ドクロ、イギリスのストーンヘンジ……へえ、結構聞いたことあるものも多いな……」
「まさかのモロモロ聖遺物!」
「響ちゃんが前いた世界とずいぶん関わり深いんだね」
「まあ、こういうものが結構危険だったから、それを回収して管理する組織にいたからね」
「この博物館に持ち込みすれば、展示してもらえるかもね。あ、日本にもあるんだ」
「え? どれどれ?」
響が顔を寄せた。ハルトはそのまま、「日本のオーパーツ」と記された文書を指さす。
「ほら、あれ」
「うーん……」
響が目と口を一文字に結んで唸っている。
「響ちゃん?」
「……だめだ」
響は諦めたような顔をしてハルトに向き直った。
ハルトが首を傾げる。
「ダメって?」
「私こういう長い文章読むの苦手なんだよね……」
「おいおい大丈夫? そんなんで学校の勉強とかついていけるの?」
「あー……あの時は……まだ未来もいたんだけど……」
「響ちゃん?」
「はっ!」
響は我に返ったように体をビク
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