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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
最終章:無限の可能性
第279話「死闘、勝利の可能性」
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 あらゆる攻撃の“外す可能性”を引き寄せる。
 逆を言えばレイアーの攻撃は“命中する可能性”を引き寄せる。
 確かに“性質”によるこれらは厄介だろう。

「「導王流がないだけマシだね」」

 だが、それだけなら絶望には程遠い。
 優輝の場合、“性質”に加えて導王流がある。
 ただでさえ当たりにくい“性質”に加え、命中しても受け流されるのだ。
 それに比べれば、当たらないだけなのは大した事はない。

「ッ……!」

 それ故のなのはとアリシアの言葉だった。
 レイアーは、それを聞いて“ギリ”と歯を鳴らす。

「どこまでも、あの男は!!」

「来るで!」

 はやての言葉と共に、散開する。
 直後、理力の嵐が降り注ぐ。
 フェイトは速さを以ってそれを避け、なのはは防御魔法と小太刀で斬り進む。
 すずかとはやてはアリサとアリシアが守る形で対処し、障壁で防御する。

「あの男よりも!私の方が上なのよ!自らの“可能性”から外れた、ユウキ・デュナミスよりも!絶対に!」

「……見苦しいわね」

「ッ!!」

 アリサの呟きに、レイアーが目敏く反応する。
 直後、閃光がアリサを貫いていた。

「アリサちゃん!」

「……大丈夫。はやて!」

「わかってる!……ここや!!」

 はやてが魔法陣を大量に展開し、レイアーの弾幕を出来る限り相殺する。
 すずかとアリサ、アリシアも霊術で援護し、隙を作る。

「はぁっ!」

「甘い!」

 同時に、フェイトが仕掛けた。
 しかし、渾身の一閃は避けられた。
 “意志”によって外す事は避けたが、単純に回避されてしまったのだ。

「ふッ!」

「っ……!」

 間髪入れずになのはも肉薄する。
 魔力弾を至近距離で炸裂させ、同時に小太刀二刀を振るう。
 一閃躱され、二閃目も当たらない。

「……二度は通じひんな」

「………」

 だが、掠りはした。
 頬に僅かな切り傷を付け、なのはとフェイトは一度撤退する。
 
「挑発して隙を作るのは良かったけど……単純にはいかんか」

「フェイトとなのはのコンビでもギリギリ当たるかどうかだものね」

 そう。この一連の流れははやてが組み立てた作戦だった。
 レイアーが優輝に執着しているのはすぐわかったので、それを利用したのだ。
 だが、挑発しても結局攻撃自体は掠るに止まった。

「舐めた真似を!」

 当然、レイアーもタダでは済まさない。
 閃光が幾重にも分かれ、なのは達を追尾する。
 一発一発がなのはのディバインバスターと同規模だ。
 武器で切り裂くにしても、全てを凌ぎきれない。
 さらに、追尾してくるため回避し続けるのも一苦労だ。


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