暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
最終章:無限の可能性
第279話「死闘、勝利の可能性」
[5/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ら、勝ち目がある……そう、そういう事……」

 息を整えながら呟いた時、優奈は腑に落ちた。

「気づいたか」

「気づかれたな」

「ええ、気づいたわ」

 吹き飛んだ“天使”以外も、“性質”を理解された事に感づく。

「おそらく、“死闘の性質”。どんな形であれ、戦いにおいて死闘を繰り広げる“性質”。だから、誰が相手でもギリギリ戦える力量差になる」

 単純な実力では三人の中では優奈が最も強い。
 そんな優奈でもギリギリ対抗出来る状態だ。
 だが、力を失った神夜でも先ほど戦った際はギリギリ対抗出来た。
 それだけ、“天使”の強さはブレるのだ。

「その通りだ」

「だが、どう対処する?」

「………」

 タネはわかった。
 だが、その対処となれば難しい。
 何せ、三人で一斉に掛かってもその分強さが増すからだ。

「(こういった“性質”は、何とかその効果を反転させないと……)」

 今は優奈達にとって“死闘”となっている。
 それを上手く反転させれば、“天使”にとっての“死闘”となり、優奈達がかなり有利になるように“性質”が働くはずなのだ。
 その状態に持っていけば勝てる確率は高くなる……が。

「っつ……!」

「がぁっ!?」

 葵が片腕を吹き飛ばされ、神夜が地面に叩きつけられる。

「(もう二人の“天使”が厄介ね……)」

 “死闘の性質”の三人だけではない。
 “可能性の性質”の二人もいるのだ。
 計五人を相手に、“死闘の性質”を反転させるのは至難の業だ。
 しかも、“可能性の性質”で例え反転させても逆転される可能性もある。

「ふッ!!」

 理力を放出し、障壁を展開する。
 それによって、葵と神夜が体勢を立て直す時間を稼ぐ。
 さらに、転移で再び仕切り直した。

「『“死闘の性質”……状況を“死闘”という形に持っていく事で、どんな強さでもギリギリ抵抗出来る力量差になるみたいよ』」

「『っ……なるほど……』」

「『ここで重要なのは、数を揃えてもその数を加味した上での力量差になる事よ。だから、私達三人で一人を狙った所で、その力量差は埋められない』」

 再び転移で躱し、念話で情報を共有する。
 即座に極光や理力の矢が襲うが、散開してそれを躱す。

「『でも、裏を返せばギリギリ対抗出来るのならば、一瞬の隙で逆転も可能よ』」

「『問題は、それをどうやって成し遂げるか、だね?』」

「『ええ。そこがネックね』」

 狙い撃ちにしてもその優奈達の総合力に対抗してくる。
 結局は、ほんの僅かの生じるかも分からない隙を狙うしかないのだ。

「『……どうするつもりなんだ?』」

「『結局は、“意志”次第よ。“可能
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ