最終章:無限の可能性
第279話「死闘、勝利の可能性」
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ら、勝ち目がある……そう、そういう事……」
息を整えながら呟いた時、優奈は腑に落ちた。
「気づいたか」
「気づかれたな」
「ええ、気づいたわ」
吹き飛んだ“天使”以外も、“性質”を理解された事に感づく。
「おそらく、“死闘の性質”。どんな形であれ、戦いにおいて死闘を繰り広げる“性質”。だから、誰が相手でもギリギリ戦える力量差になる」
単純な実力では三人の中では優奈が最も強い。
そんな優奈でもギリギリ対抗出来る状態だ。
だが、力を失った神夜でも先ほど戦った際はギリギリ対抗出来た。
それだけ、“天使”の強さはブレるのだ。
「その通りだ」
「だが、どう対処する?」
「………」
タネはわかった。
だが、その対処となれば難しい。
何せ、三人で一斉に掛かってもその分強さが増すからだ。
「(こういった“性質”は、何とかその効果を反転させないと……)」
今は優奈達にとって“死闘”となっている。
それを上手く反転させれば、“天使”にとっての“死闘”となり、優奈達がかなり有利になるように“性質”が働くはずなのだ。
その状態に持っていけば勝てる確率は高くなる……が。
「っつ……!」
「がぁっ!?」
葵が片腕を吹き飛ばされ、神夜が地面に叩きつけられる。
「(もう二人の“天使”が厄介ね……)」
“死闘の性質”の三人だけではない。
“可能性の性質”の二人もいるのだ。
計五人を相手に、“死闘の性質”を反転させるのは至難の業だ。
しかも、“可能性の性質”で例え反転させても逆転される可能性もある。
「ふッ!!」
理力を放出し、障壁を展開する。
それによって、葵と神夜が体勢を立て直す時間を稼ぐ。
さらに、転移で再び仕切り直した。
「『“死闘の性質”……状況を“死闘”という形に持っていく事で、どんな強さでもギリギリ抵抗出来る力量差になるみたいよ』」
「『っ……なるほど……』」
「『ここで重要なのは、数を揃えてもその数を加味した上での力量差になる事よ。だから、私達三人で一人を狙った所で、その力量差は埋められない』」
再び転移で躱し、念話で情報を共有する。
即座に極光や理力の矢が襲うが、散開してそれを躱す。
「『でも、裏を返せばギリギリ対抗出来るのならば、一瞬の隙で逆転も可能よ』」
「『問題は、それをどうやって成し遂げるか、だね?』」
「『ええ。そこがネックね』」
狙い撃ちにしてもその優奈達の総合力に対抗してくる。
結局は、ほんの僅かの生じるかも分からない隙を狙うしかないのだ。
「『……どうするつもりなんだ?』」
「『結局は、“意志”次第よ。“可能
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