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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
最終章:無限の可能性
第279話「死闘、勝利の可能性」
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「となると……ッ、下がって!」

 優奈が結論を出す前に、理力で障壁を張る。
 同時に飛び退き、追撃を躱す。

「もう少し様子を見るわ。……私が相手していた“天使”はお願い!」

「了解!」

「ああ!」

 ポジションを入れ替える。
 葵と神夜は“可能性の性質”の“天使”を相手し、優奈がそれ以外を相手する。

「ッ……!」

 直後、優奈は驚愕する。
 転移を含めたスピードに、“天使”が容易く追いついてきたのだ。
 優奈は神としての優輝の半身とも言える存在だ。
 理力が体に馴染んだ今、単純な強さでもかなりの高さを誇る。
 それこそ、“性質”を使わない“天使”には負けない程の。

「(やっぱり、相手に合わせている!)」

 故に、目の前の“天使”の“性質”は相手の強さに合わせるものなのだと確信する。
 即座に導王流で攻撃を受け流し、カウンターを放った。

「(受け止められる……!加え、三対一……!)」

 カウンターは受け止められ、同時に三人に包囲される。
 理力の武器を仕舞い、代わりに体に纏う。

「ッ……!」

 三人の内一人が遠距離から弾幕を放つ。
 残りの二人が優奈へ近接戦を仕掛けてくる。
 典型的な前衛後衛の形だ。

「くっ……!」

 問題は単純な強さ。
 導王流を用いてなおギリギリ対応できるかどうかの速度だ。
 遠距離攻撃も相まって、優奈は受け流し切れずに弾き飛ばされる。

「(……やっぱり、おかしい)」

 だが、同時に気づく事が出来た。
 相手がどんな“性質”なのか。

「(相手の強さに直接対応する“性質”じゃない)」

 相手と同等、もしくはそれ以上になる“性質”ならばおかしいのだ。
 何せ、僅かな時間とはいえ先ほど一対一で戦っていた。
 その時のスピードは、今包囲されている時よりも上だったのだ。
 相手の強さに合わせて強くなれる“性質”ならば、それはおかしい。
 その場合だと、数が増えれば増える程、優奈は劣勢になるはず。
 しかし、一対一と三対一のどちらも同程度の苦戦具合だったのだ。

「(空間、事象……そういった部分から干渉するタイプね)」

 ならば、干渉しているのは戦場そのものになる。
 そして、“ギリギリ拮抗出来る”と言うのも重要だった。

「(同等でもない、圧倒する訳でもない。単に上回る訳でもない。……飽くまで、“ギリギリ対抗出来る”と言うのがミソ。現に、捨て身のカウンターならほぼ確実に決まる)」

 思考の間にも戦闘は続く。
 実際、優奈は攻撃の直撃を食らいながらも、カウンターを直撃させていた。
 片腕を吹き飛ばされた代わりに、掌底を胸に食らわせ吹き飛ばしたのだ。

「死に物狂いな
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