暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
最終章:無限の可能性
第279話「死闘、勝利の可能性」
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からこそ、挽回のために力を振るう。

「ぉおおおおおおおおおおっ!!!」

「来るか……!!」

 衝撃のぶつかり合いが閃光となって迸る。
 傍から見れば、帝と神の姿は見えないだろう。
 それほどまでの超スピードで動き、互いに有利な位置を取ろうとしている。

「ぜぁっ!!」

「ふんッ!!」

「はぁあっ!!」

「甘い!」

 拳を振るう。防がれる。
 手刀を弾く。反撃を繰り出す。
 蹴りが避けられる。拳を避ける。
 攻撃、防御、回避の応酬が繰り返される。
 どちらもダメージというダメージが通らない。
 それだけ拮抗した力量なのだ。

「がはっ!!?」

「まだまだ粗削りだな!」

 だが、そこで経験が差をつけた。
 帝もかなり経験を積んだが、目の前の神はそれ以上だった。
 単なる実戦経験ならば、優輝や天廻などを上回る。
 そんな相手に、真っ向からの勝負だけで勝てる訳がなかった。

「っづ……!!」

 カウンターで肘鉄を胴に叩き込まれ、帝は地面に叩きつけられた。

「(こいつは……やばいな……!)」

 視界には、遠くの方に神が映っている。
 それ以外にも、優奈や葵、神夜の姿もあった。
 先ほどの攻撃で、ここまで吹き飛ばされてきたのだ。

「(ここに来て、強敵か……!)」

 優奈達も完全に劣勢だ。
 なのは達の姿こそないが、そちらも相応に苦戦しているだろう。
 相手は優輝とは違うとはいえ“可能性の性質”だ。
 苦戦しないはずがないと、帝は心の中で断じる。

「ぉおおおおおおおっ!!」

 ともかく、この窮地を脱しなければならない。
 そう思考に結論付け、帝は再び神に挑みかかる。

「ぐっ……!」

 しばらくの攻防の後、回避と防御が間に合わずに顔に拳が命中する。
 
「ずぁっ!」

「ッ……!」

 だが、帝も負けじとその腕を掴み、殴り返す。
 回避を封じた上でのその一撃を神も食らい、仰け反った。

「―――面白い……!」

「っ……」

 戦い方が変わる。
 今までは極力ダメージを食らわないような立ち回りだった。
 それを、ダメージ前提で当てるように変えた。
 当然、帝へのダメージは蓄積するだろう。
 それでも神へのダメージは与えられる。
 どの道、先ほどの立ち回りでは帝がジリ貧だった。
 故に、捨て身の覚悟で攻撃し続けるしかないのだ。

「どこまで死闘が出来るか、試してやろう……!」

「っ、この野郎……!!」

 吹き飛び、吹き飛ばす。
 殴られれば殴り返し、その度に衝撃が迸る。
 残像すらいくつも残す程のスピードで、帝は戦い続ける。









「ッ…
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