最終章:無限の可能性
第279話「死闘、勝利の可能性」
[1/9]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「ぜぇりゃああっ!!」
超スピードで帝が攻め立てる。
相手は一人の男性神。ただし、“性質”は未だ不明だ。
「は―――はははっ!!」
「ッ……!!」
拳、蹴り、一撃一撃が大地を砕く威力だ。
今の帝ならそれが出来、同時にそれは神界でも容易く通用する。
それほどに、帝の“憧憬”は強い。
……だが。
「ッッ!!」
「いい。実にいいぞ……!」
その全てを、神は受け止めていた。
「………」
「待った甲斐があったというものだ。……これほどの猛者と戦えるとはなッ!!」
「ッ―――!!」
意趣返しとばかりに、今度は神から仕掛ける。
その速度に、帝は僅かに動揺する。
「くっ……!!」
拳を払い、拳を繰り出す。
蹴りを膝で受け、蹴りを返す。
その度に衝撃波が迸り、空気を揺らす。
そう。明らかに神は帝と同等の強さを見せていた。
「(さっきまでより強くなっている……その類の“性質”か……!)」
「こうも序盤から“性質”を使わされると思わなかったぞ。それも、人間相手に」
「(やっぱりか……!)」
“性質”を使った事による身体強化。
それによって神は帝と同等の強さになっていたのだ。
……否、同等ではない。
「ふッ!!」
「っ―――」
辛うじて防御が間に合った。
緩急をつけた動きだったのもあるが、それ以上に速くなっていた。
「ッ……!」
“意志”で何とか吹き飛ぶ体を止める。
しかし、その時点で背後に回られていた。
「ずぇりゃあ!!」
「ッ、いいぞ……!もっと楽しませろ……!!」
背後からの攻撃を振り向きざまに逸らす事で防ぎ、渾身の膝蹴りを放つ。
片腕でそれは防がれ、神は歓喜の笑みを浮かべる。
「(強ぇ……!地球で戦った“蹂躙の性質”とは訳が違う……!)」
地球で戦った“蹂躙の性質”の神は、帝に対しその“性質”を振るっていた。
結果、帝が憧れる存在の力までは干渉出来ずに敗北していた。
だが、目の前の神は違う。
帝の憧れる存在の力すら対応してくる。
「(俺自身じゃなくて、この戦場そのものに働きかけているのか……!)」
帝自身に“性質”を働きかけても、憧れる存在の力は揺るがない。
しかし、その法則性にも穴はある。
例えば事象、または空間などに働きかければ、力を上乗せした帝の強さにも対応する事が可能なのだ。
「(けど……負けねぇ!!)」
気が迸る。
既に何度も回り込まれ、その度に防御の上から吹き飛ばされていた。
防御が出来ているだけマシな状況だった。
だ
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ