第13話
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切るチャンスがやってくる。でも死んだらそれで終わり。アンタはそれでいいわけ?」
「・・・・・・それは」
「私はそんなの真っ平よ。死ぬわけにいかないの。あいつ等に一泡吹かせるまで、アンタにも生きてもらわないと困るのよ」
「・・・・・・お前」
淡々と自身の考えている意見を、物怖じすることなく述べるオーラ。その真剣な眼差しと、何かに対する怒り。そこから一瞬だけ垣間見た、自分を案じようとする姿勢。
彼女の意見は余りに至極真っ当で、この状況では最も最適な行動だ。だけど、それでも、と思ってしまう。自分にはやるべき事があるのだ。当事者として、既に奪ってしまった者達に対して、贖罪を背負わないといけないのだから。
オーラは迷いを示す彼の姿を見てため息をつくや・・・・・アラタの腹部、それも隙だらけの鳩尾付近を殴打する。疲弊した体に追い討ちを掛けられ、彼は思わず血混じりの唾を吐き出す。
「あぐっ・・・・・・!?」
「あんまり私の手を煩わせないで。私、アンタのそういう所気に入らない」
ぶつくさと文句を言いながら自身の体を支えるオーラ。その横顔を見たのを最後に、彼は張り詰めていた意識を失う。
動かなくなった彼の手を自身の首に掛けて、気を失っている青年の顔を横目に見ながら、オーラは1人呟く。
「ホント、手間がかかる奴」
その言葉を最後に、彼とオーラはその場から撤退していく。時間停止を行っていた元凶が姿を消した事により、アナザーウィザードも開放される。アナザーウィザードは辺りを見回すも、自身が先程下した人間が居ない事に気づく。どんな芸当を持ってやったのかは知らないが、所詮しっぽを巻いて逃げたとだけ。そう結論づけて再び子供達を狙おうと視線を向ける。が、既にそこに子供達の姿は無い。オマケに自分の存在に勘づいた第三勢力らがこちらに向かってくる気配にも気づいていたアナザーウィザードは、1人舌打ちをつく。
『今日の収穫は・・・・・・こんなところかな』
手のひらを開き、たゆたう3つの魂の灯火を、アナザーウィザードは歪んだ面相で眺める。それらを再び握り締めると、ベルトに手をかざす。
《TELEPORT PLEASE》
『待ってろ……真理』
アナザーウィザードの、確固とした言葉が空に溶けていく。それと同時にアナザーウィザードもその存在を消失する。
ーーー
「・・・・・・あっ!?」
持っていたお皿が手から離れ、床へと叩きつけられる。硝子が割れる音に、私は僅かばかりに悲鳴を上げる。
「怪我はないかい?」
「はい、大丈夫です。少し手が滑っただけなので」
「ならば良か
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