見滝原博物館
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ルコンと呼ばれるダイヤモンドよりも固い鉱物で作られています』
オリハルコンと呼ばれるアクセサリ。黒い真珠が首輪のように繋がれているが、響はそちらにはそれほど関心を示さなかった。
「でも、こんな強そうな人たちがなんで滅んじゃったんだろうね?」
響がベルセルクの模型を見ながら呟いた。
ハルトは最初の解説を指さしながら言う。
「あっちに書いてあったじゃん。戦いに明け暮れた日々のせいだって」
「うーん……私は、お互いに手を繋がなかったからだと思うけどなあ」
「手?」
ハルトの言葉に、響が頷く。
「私がいた世界ってさ。バアルの呪詛っていう神様の呪いで、人間同士が分かり合えなくなっててさ。それで、もう人類も滅んじゃうところだったんだ。何とかぎりぎりで食い止めたんだけど、きっとそういうの何だろうなって、ちょっと思い出しちゃって」
「それで、手を繋がなかったからか」
「やっぱり、手というか、そういう繋がりがなくなっちゃうと、滅びちゃうんだと思うよ」
「あり得なくはないな……まあ、この情報化社会でそういう繋がりがなくなることもそうそうないと思うけど」
次の展示物は、今回の特別展の目玉とされるブースだった。
どうやら歴史的な発見らしく、イベント終了も近いのに、まだまだ大勢の人が集まっていた。
「あれか」
目玉の展示。近くの垂れ幕には、『初公開 ベルセルクの剣』と書かれていた。
「え? もしかして本物? すごいお宝なのかな?」
整理のロープに沿って順路に並ぶと、すぐに見えてくる。
黄色のエネルギーを光のように放つ、石でできた剣が、煌々と皇のように鎮座してあった。
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