見滝原博物館
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そうなものがいっぱいなんだけど……私この場合、放置した方がいいよね」
「また言ってる……ここは響ちゃんがいた世界じゃないからね。……お?」
続いて順路に従っていると、『滅びた種族』と書かれた案内標識が現れた。
すると、今度はムー大陸とは全く異なるベクトルの展示が現れた。
「おお、何か今度は少し最近のものになってきた感がある! 数千年くらい!」
「最近とは一体……えっと……」
ハルトは、新しいブースの解説に目を通す。
「ここは、昔いた種族の展示らしいよ」
「種族?」
「そう」
ハルトはそういいながらパネルを指さした。
「種族っていうより、民族っぽいね。えっと……」
最初のプレート。それには、こう書かれていた。
『中世を生きた、ベルセルクと呼ばれる戦いの種族です。戦いに明け暮れた日々が、彼らを滅びの運命に導いたといわれています』
「ベルセルク?」
響は、解説よりも先に展示品の模型に目を輝かせた。大がかりな荒野のセットに、二人の騎士が雷の空を背景に斬りあっている。
「うおーっ! かっこいい!」
「かっこいいけど、響ちゃんこういうの好きなんだね」
「いやー、前はそれほどでもなかったんだけど、師匠の影響でこういうカッコイイもの好きになっちゃったんだよね」
「師匠?」
「師匠だよ。曰く、『飯食って映画見て寝るッ! 男の鍛錬は、そいつで十分よッ!』だって」
「……それで君のあの格闘術?」
「そうだよ! ちなみに師匠は、生身でコンクリート持ち上げたり、屋上までジャンプできたり、生身なのに奏者……あ、私よりも強かったりするよ」
「……それは本当に人間なの? ファントムの話してるんじゃないの?」
「まあ、そういう影響だよ。ほら、ハルトさん写真お願い!」
「はいはい……解説見ないの?」
「こういうのは生で感じた方がいいんだよ!」
「そういうもんかね……? まあ、俺は見るけど」
ハルトはそう言いながら、響が見ているもの解説を見下ろす。
「えっと……へえ、バーサーカーっていう単語、もともとベルセルクの英語読みなんだ。……だったらクラスもちゃんとバーサーカーじゃなくてベルセルクにすればいいのに」
「ベルセルクって、どんな騎士なの?」
「北欧神話の異能の戦士の総称らしいよ。えっと、この展示は……?」
ハルトは続いて、響が夢中になっている模型の解説に目を向ける。
『この展示品は、戦士ベルセ・ルークと戦士アクノ・キーシの決闘の様子を再現しています』
「決闘か……」
「あんまりお互いは仲良くなかったのかな?」
響がそんな感想をもらした。
ハルトは、その隣にある、筒状のショーケースにも目を向けた。
『ベルセルクたちが愛用した装備品。オリハ
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