一緒に来てくれる方はいませんか?
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バカバカしくなるほどの器に、これでもかと言わんばかりのラーメンが盛られている。
「舘島選手! ダウン! 紗倉選手、ダウン!」
「お……お願いマッスル……辛いこともある筋肉道……」
ダウンした選手の一人が、遺言のように言いながら机に突っ伏した。
そんな、一杯だけでも胃もたれを起こしそうなラーメンの大食い競争。無論、他の参加者も次々とギブアップをしており。
そして。
「立花選手、文句なしのゴオオオオオオオオオル!」
「イエエエエエエイ!」
知り合いが、それはそれはいい笑顔でガッツポーズをしていた。
「うおおおおお!」
あたかも少年のように、立花響は目をキラキラとさせていた。
「いやあ、本当にありがとうございます! 私もちょっと興味あったんだけど、ラーメン美味しそうだったから、そっちに行っちゃったんですよね。んで、食べているうちに入場費も使っちゃって、だったらもうここの大食い競争でもいいかなって思ったんですよ」
結局、他に知り合いもいなかったこともあって、大食い競争で見事に優勝した響を連れていくことにしたのだった。
すると彼女は二つ返事で了承し、
「すごい大食いだったね。あのラーメン、一杯だけでもかなりのボリュームだったけど……」
「え? そ、そう……?」
響は頭をかいた。
「いやあ、最近コウスケさんのお手伝いで何度も大学に行ってさ。ちょっと疲れてお腹すいちゃったんだよね」
「まあ、渡りに船ならよかったよ」
ハルトと響は、今見滝原博物館の前、入場の入り口に並んでいた。
大勢の家族連れなどがいるなか、若い男女という組み合わせは、数少ない方の部類に入る。それもカップルではなく、ただ近くにいた知り合いを連れてきたというものは、相当珍しいのではないだろうか。
「今回のこの展示会、明日で終わりなんだっけ?」
「そうだよ。お客さんから昨日チケットもらったんだけど、勿体ないから誰か誘おうとしてさ。そういえば、コウスケは?」
「あー、今大学の準備で色々いそがしいみたいだよ? 年末の研究会があるみたいで」
「学生も大変だな」
「うーん、私も学生だった時思い出すなあ。みんな元気かな? もしかしてシンフォギアみたいな力に目覚めていたりして。歌じゃないとしたら……龍とか?」
「そんなアニメみたいなこと……お、俺たちの番だ」
行列は終わり、ようやくハルトたちがチケットを渡す番になった。
すんなりと無料で通してもらえたことに、青山さんに感謝しながら、ハルトは響とともに会場に入っていった。
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