一緒に来てくれる方はいませんか?
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ひどい!」
「えっと……」
可奈美は頬をかき、
「だったらさ。チノちゃんは行ってきたら? せっかくのお休みなんだし」
「いえ、私正直あまり興味ないので」
「え?」
チノにも断られた。
「マヤさんの検査が明日なので、それに付いていきたいんです。ですから」
こうなっては、ハルトに次に告げられるのは一つ。
「ハルトさん。誰か連れて行ってきてください」
聖杯戦争という戦いの場で、サーヴァントとは使い魔であり、文字通り僕である。それを証明するように、令呪と呼ばれる三回の絶対命令権があり、それがなくとも、サーヴァントは基本的に召喚主であるマスターに従う。
『悪い! 今日俺バイト入ってるんだ』
だから、アッサリフラれる前例なんてあったのだろうか。
「マジか……真司さんもダメなのか……」
ライダーのサーヴァント、城戸真司。アマゾンの時も、事件解決のために大きく貢献していたが、平時はただの記者を目指すフリーターである。
「じゃあさ、友奈ちゃんは?」
『友奈ちゃん……も今日はバイトだ』
「バイト? 友奈ちゃんもバイト始めたの?」
『ああ。新聞配達』
「新聞配達って……そもそも友奈ちゃん、本来だったら中学生なんじゃ?」
『まあ、そこは気にすんな。それより、悪いな』
「ああ。……まあ、しょうがないよ。それじゃあ。バイト頑張って」
それを最後に、ハルトはスマホの通話を切った。
すでに見滝原北駅にバイクを停め、博物館へ向かうルートに入っている。このまま一人で行くのもいいが、チケットが一枚余ってしまった。
「仕方ないか。……一人で行くか」
そういって、博物館の方角へ歩き始めた。
博物館へは、どうやら商店街を通過していくらしい。ハルトはそのまま、見滝原北商店街と記されたアーチをくぐった。
「うわ……すごい人混みだな……」
ハルトは、その人数の多さに舌を巻いた。
ラビットハウスがある見滝原西の人が全員こっちに移動してきたのか。そんな錯覚さえも覚える。
「えっと……ここを真っすぐ……」
だが、壮絶な人だかりに、ハルトはなかなか前に進めない。やがて、腕時計と睨めっこしながら進もうかとしていると、
「おお! すごい、これはすごいぞ!」
無数の声がなだれ込んでいるにも関わらず、その強い声は迷うことなくハルトの耳に届いた。
「みたきた商店街名物! ラーメン大食い競争!」
それは、ラーメン屋だった。それもただのラーメン屋とは言い難い。
看板に、巨大ラーメンが名物と銘打ってあるそれは、一つ一つがとても巨大な器に盛られていた。現物は、店の前の長テーブルの上に。数えるのも
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