一緒に来てくれる方はいませんか?
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顔を落とした。
「せっかく木綿季ちゃんと仲良くなれたのに、あんなのって、ないから……」
「……でもさ。可奈美ちゃんは可奈美ちゃんで、木綿季ちゃんのことを必死に形として残そうとしているんだから、それはそれで乗り越える方法の一つじゃない?」
「どうなんだろう……ん?」
唯一の客が、こちらに歩み寄ってきた。
不思議な雰囲気の小説家、青山ブルーマウンテンさん。会計だろうかと思うと、
「元気のないお二方へプレゼントです〜!」
博物館のチケットを手渡された。
「博物館のチケット?」
そう首を傾げたのは、ハルトと可奈美よりも先にラビットハウスで働き始めた少女、保登ココア。青山さんから渡され、今はテーブルの上に置いてあるチケットに興味津々の目線で見下ろしている。
「『滅びの文明特別展』? なんか面白そうだね! これどうしたの?」
「なんか、青山さんも取材のために行く予定だったんだけど、編集さんの分だけのつもりが、取りすぎてしまったらしいよ。このまま捨てるのも勿体ないから、くれたんだよ」
ハルトは食器を洗いながら答えた。
するとココアは頷き、
「いいね。私とチノちゃんも一緒に、四人で行こうよ! 今週日曜日に!」
「待ってください」
元気なココアを、背の低い青髪ロングの少女がなだめた。薄い肌の少女の特徴は、何と言っても頭に乗せているアンゴラウサギだろう。
「今博物館なんてやっているんですか? この前の事件で、色々閉まっていますよ?」
ラビットハウスの看板娘である香風チノの言葉に、可奈美はスマホで調べていた。
「えっと……あ、この見滝原博物館、北区にあるから、アマゾンの被害あんまり受けてないらしいよ」
「そうなの?」
可奈美の言葉に、ココアが目を輝かせた。
「じゃあ行こうよ! この特別展!」
「あれ?」
そこで、可奈美が声を上げた。
「ねえ、ハルトさん。この特別展、チケットにはいつまでって書いてある?」
「ん? えっと……あ」
ハルトは、チケットに記されている日付に、目を点にした。
「これ……今週日曜じゃない?」
「ええっ!?」
ココアが悲鳴に近い声を上げた。
「それじゃ、明日と明後日しかないじゃん! そんなぁ……」
「青山さん、こういうこと確認しないで渡したのか……」
「今のシフトだと、私とハルトさんが土曜日のお休みですね。日曜は可奈美さんだけがお休みですね」
チノが無慈悲な事実を述べた。すると、ココアがさらに白目を剥く。
「ガーン……みんなで行ってみたかったよ……」
「あはは……」
「ラビットハウスもありますから、無理ですね」
「
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