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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
最終章:無限の可能性
第278話「積み重ねた想い、信念」
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を利用する。
 そして、背後に迫っていた“人形”を突き刺した。

 問題は、思わず声を上げたユーリの方だ。
 意識がサーラに向いた瞬間を、“天使”は逃さない。
 サーラもそれに気づいて、声を張り上げた。

「っ……!!」

 魄翼は間に合わない。
 刹那にそう確信したユーリは防御魔法を多重に展開する。
 ユーリは戦闘に対する意識はそれこそ人並み程度しかない。
 それでもそれを補って余りある才能と力がある。
 そのため、咄嗟の防御魔法でも十層の障壁を展開した。

「ぐっ……!」

 その十層の内、九層が割られる。
 残りの一層もほぼ破られた状態で、ギリギリ防いだ。
 だが、追撃が来る。
 今度は魄翼を間に合わせるが、あっさりと魄翼が砕ける。
 それでも、時間を稼ぎ、ルフィナの横槍で“天使”は弾き飛ばされた。

「まだです!!」

 ルフィナが“天使”の一人を抑えるが、代わりに“人形”がノーマークとなる。
 ミエラとサーラも他の“天使”に抑えられ、ユーリは一人で対処する事になる。
 尤も、ユーリもこれまでで戦闘経験は積んできた。
 いくら戦闘への意識が人並み程度でも、決して無力ではない。

「はぁっ!!」

   ―――“Schwarzer Granate(シュバルツェア・グラナーテ)

 魄翼と防御魔法で“人形”の攻撃を一時的に防ぐ。
 そして、破られる前に魔力を爆発させる。
 防御、ないし飛び退く事で回避させ、さらに細かい魔力弾で周囲を攻撃する。

「シッ!!」

 吹き飛んだ“人形”の内、一体が吹き飛んだ勢いを利用したサーラに切り裂かれる。
 “天使”相手に劣勢ではあるが、連携を忘れずにこなしていた。

「“人形”は私が抑えます!」

「無理はなさらぬように!!」

 役割分担で、ユーリが“人形”を担当する。
 白兵戦で“天使”相手にユーリでは少々相性が悪い。
 一撃で魄翼も障壁も貫く攻撃力は致命的だ。
 対し、“人形”は比較的物量で攻めてくる。
 同じ物量で対抗できるユーリが抑えるのは妥当だろう。

「はぁっ!!」

 無限の魔力によって、いくつもの障壁が展開される。
 それらが割られるのと引き換えに、“人形”の攻撃を阻む。
 さらに、魄翼と無数の魔力弾、砲撃魔法の魔法陣も展開される。
 ありったけの魔力を注ぎ込んだ弾幕を展開し、物量で攻める。

「ッ!」

 それでも“人形”は抜けてくる。
 それどころか、“天使”も混じっていた。

「っ、ここです!」

 しかし、ユーリも白兵戦が出来ない訳ではない。
 魄翼を爪として振るい、剣の一太刀を砲撃魔法の薙ぎ払いで代用する。
 “人形”を弾き飛ばし、魄翼を砕かれながらも
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