外典 【H×H編】
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殺する以上の水遁を使いこなし手裏剣の腕も超一流。その上で水蜘蛛も無いのに苦も無く水面を歩いている。
くそっ!湖畔に逃げたのは失敗だったな…
水遁を使われた時点で気が付くべきだった。
水を操る能力が有るのならこういう事も出来る、と。
ちぃっ!
キィン
短刀と手裏剣が触れる音が霧の中に響く。
視界は奪われ相手の位置は分からないのに相手はどう言う訳かこちらの位置が分かっているようだ。
長年の修行と勘で今まではどうにか致命傷は避けているが…くそっ!
キィン
何度目かの攻撃を弾き返し更に悪態を心の中で吐く。
視界が霧で覆われているのだ、どう言う理屈でこちらの位置を把握しているのかは分からないがわざわざ悪態を声に出して相手に位置を悟らせる事もあるまい。
がやはり状況は不利だ。
やはりこの霧が邪魔だ。こうも視界と五感を封じられると戦い辛くでしょうがない。
一か八かだが、やるか。
決断したハンゾーは懐から丸みを帯びた小さな箱のような物を取り出すとボタンのような物を押し込み上空へと放り投げた。
3、2、1…
ハンゾーは水蜘蛛を外すと水底へ向かって潜水。そして放り投げられた何かが湖面から一メートルほどの所まで落下してきた辺りで爆発、轟音が響き渡る。
一分、二分、三分。
水上では爆破の衝撃で霧は分散している頃合いだろう。衝撃の爆風で立った波飛沫も落ち着きを取り戻し始めた。
そろそろ水面に出なければ息が続かねぇ…岸にはまだ付かないしあの程度の爆発であの少女が殺れてる訳がねぇが、出るしかないな。
そう考えた次の瞬間、湖が割れた。
「なっ!?」
浮上するはずだった湖の水を失ってハンゾーは驚愕の声と共に湖の底へと落下する。
驚愕の声と共に見上げた水面に立ってこちらを見ているのはやはりパジャマ姿の少女だった。
「あー…これは死ぬ…かな?」
次にハンゾーに襲って来たのは湖の水と言う圧倒的な物量攻撃。
挟まれ、揉まれ、回転する水流に翻弄されるだけ。それほど強力な渦潮がハンゾーの体を捉えて離さない。
その力はどれほど念で体を強化しようとも振り切れるものでは無くなすすべもなく意識を失ってしまう。
これはもはや捉えて逃がさぬ水の牢獄だ。彼はこの湖畔に逃げると思いついた時にもう詰んでいたのだった。
次にハンゾーが目を覚ますと森林公園に生えている木にグルグルと縛り付けられていて、持っている暗器はすべて取り外されていた。
まじまじと珍しそうにクナイやら忍者刀をいじっているテトラに自然と声が出る。
「あ、それはオレのっ!」
パジャマ姿のテトラにはあれだけの戦闘があったと言うのに綻んでいる所が一つもない
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