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養生は基本
第一章

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                養生は基本
 小倉皐は一四五位の背で大きな儚げな目と細く長い眉に小さな唇を持っている。髪の毛は薄い茶色で癖があり少し伸ばしているがあちこちはねている感じだ。
 幼い感じの身体つきで十七歳というには結構以上に幼く見える。同じ高校で同じ吹奏楽部に所属している佐藤千弘と付き合っている。一七五ある彼と並ぶと大人と子供だ。
 佐藤はその小倉にいつも言われていた。
「やっぱりしっかり寝ないとですよ」
「駄目なんだな」
「はい、毎日しっかり寝て」
 そしてというのだ。
「朝昼晩しっかりとです」
「食べないとか」
「駄目です、それもです」
「身体にいいものをだよな」
「そうです」
 こう彼に言うのだった、黒く縮れた感じの髪の毛で大きな目と赤い唇を持つ彼に。顔立ちは明るい。
「食べないと駄目ですよ」
「インスタントとか冷凍食品はか」
「駄目ですよ、それだけ食べたら」
 そうしたことはというのだ。
「栄養が偏りますから」
「そうなんだな」
「あと未成年ですが」
 皐はさらに言った。
「どうしてもです」
「煙草はか」
「絶対に駄目です」
「大人になってもか」
「もう煙草を吸ったら」
 それこそというのだ。
「どれだけ身体に悪いか」
「それは有名だよな」
「はい、ですから煙草は」
 何といってもというのだ。
「絶対に吸ってはいけないです」
「俺もそれは」
 煙草はとだ、佐藤も皐に答えた。
「わかってるから」
「煙草はですね」
「吸わないよ」
「そうして下さい、あとお酒も」
「過ぎるとだね」
「よくないです」
 これもというのだ。
「私達が住んでいる八条町は町の条例で十五歳から飲んでいいですが」
「俺結構以上に飲んでるよ」
「それがです」
 どうにもというのだ。
「過ぎるとです」
「駄目だよな」
「お酒は適量ならお薬ですが」
「過ぎると毒だよな」
「そうなりますので」
 だからだというのだ。
「過ぎない様に」
「そうだよな」
「そして煙草以上に」
 皐はこのことは真剣そのものの顔と声で言った。
「シンナーとかドラッグはです」
「しないことだな」
「覚醒剤なんてしたら」
 それこそというのだ。
「どれだけ身体に悪いか」
「あっという間に身体ボロボロになるんだよな」
「そのお話を聞いていると」
 覚醒剤中毒患者のそれをだ。
「怖いですよ」
「身体ボロボロになってな」
「心もですから」
「幻覚見て電波も受信して」
「筋肉も骨もボロボロになるんですよ」 
 だからだというのだ。
「もうです」
「絶対にだな」
「何があっても」
 それこそというのだ。
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