3章
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『それが君の令呪だよ』
目の前に現れた白い妖精の言葉に、オレは手の甲を見下ろした。
それは、オレの紋章とは全く違う、どこかの他者の紋章だった。
白い妖精は続ける。
『それがある限り、君は聖杯戦争の参加者だ。願いのために、サーヴァントとともに頑張ってくれたまえ』
白い、猫やウサギにも似ている小動物。監視役の妖精だよ、と名乗ったそれは、ピタリとも表情を動かすこともなく、オレを見つめていた。
『それはサーヴァントとのつながり。サーヴァントを駆使して、この聖杯戦争を生き延びれば君の勝ちだよ』
「勝てば、願いが叶うのか?」
『そう。どんな願いでも。人の命であっても、一人までならば蘇生できるよ。そのために、サーヴァントとともに生き残るんだ』
「……くだらない」
「え?」
白い小動物は首を傾げた。
だが、オレは構わず続ける。
「オレはオレのために戦う。オレはオレ以外の全てを拒絶する。サーヴァント? そんなもの、オレは必要ない」
「そういうマスターも何人かいたね。もっとも彼らも、結局はサーヴァントを召喚する必要性を認めて、召喚したのだけど」
「オレはそいつらとは違う。この令呪も」
オレは手に刻まれた令呪を抑える。
オレの体に流れる血が、その自らを象徴するものとは異なる紋章を拒みだした。
「うおおおおおおおおおおおおお!」
オレの血が滾る。
やがて、オレの血よりあふれ出した紫のエネルギーが迸る。
やがて、オレの体に刻まれた令呪もまた、色を変える。紫に染まり上がった令呪は、その形を歪め、オレのよく知る紋章へ変わっていった。
『それは……! 君の……!』
「これはオレの、聖杯戦争の参加する証。そして、オレは一人で戦う、オレの孤高の証だ。異論はないな?」
『……ふう。令呪を君が書き換えてしまえば、対応する英霊がいない限り、もう僕にはどうすることもできない。いいだろう。君の、一人での聖杯戦争の参加を認めよう。……これはあくまで、僕の忠告だ』
小動物は、改めてオレを見つめる。
『サーヴァントの力を借りない以上、君は他のマスターよりも劣った状態での参加することになる。それでもいいのかい?』
「何度も言わせるな」
それは、いつだって変わらない。オレの信念。
「オレは一人で戦う。誰にも頼らない。誰も助けない。それが、オレだ。オレの血の誇りだ」
『たとえ、サーヴァントがいた方が有利だとしてもかい?』
「協力して願いを叶えるくらいならば、オレは一人の敗北による死を選ぶ」
『ふうん……有利な盤面よりも、自らの信念を選ぶんだ。やっぱり人間って分からないな』
小動物はこっくりと頷いた。
『まあいいさ。ここから、君の聖杯戦争が始まる。せいぜい頑張
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