第1部
ポルトガ〜バハラタ
バハラタ東の洞窟
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「……きて、……ちん、起きて!」
誰かが体を揺らしている。その揺れが心地よくて、再び意識がなくなりかけたそのとき。
「ミオちん、起きて!」
「!!」
シーラの切迫した声に、びくりと反応する私。
瞼を開けると、目の前には心配そうに覗き込むシーラの姿があった。
「シーラ……?」
「うあああん!! よかったよぉ!! 目が覚めて!!」
言うなりシーラは、がばっと私に思い切り抱きついてきた。
「ど、どうしたのシーラ?! 何かあったの?!」
彼女の取り乱した様子とは裏腹に、現状が把握できずただおろおろする私。
「だって、あいつらに捕まってから、ミオちん全然起きないんだもん! もしかしたら、このまま一生目が覚めないかもって思って、すっごい心配したんだよ!!」
そう泣きじゃくるシーラの目は、赤く晴れ上がっていた。それほどまでに私はシーラに心配をかけさせてしまったのか。私はいたたまれない気持ちになり、今度は自分から彼女を優しく抱き締めた。
「心配かけてごめんね、シーラ。一人でがんばったね」
「ううん。あたしは平気。ミオちんが薬で眠らされたあと、ずっとおとなしくしてたから」
シーラの話によると、私が眠ったあと、男たちはシーラを脅し、そのまま町の外へと私たちを連れ出した。町の外には幌馬車が停まっていて、私たちはその中へ押し込まれた。
そこにタニアさんはおらず、見張りとおぼしき男が一人いただけで、あとは私とシーラだけだったという。
ほどなく馬車は動きだし、けして安全とはいえない走り方で、ひたすら東へと向かっていたそうだ。
やがて馬車は蔦が蔓延る苔むした洞窟へとたどり着いた。木々の生い茂った場所に巧妙に馬車を隠し、私たちは男に連れられ(私は担がれたのだが)、洞窟の奥にあるこの牢屋に入れられた。
牢屋と言っても、ここは人が二、三人入れるスペースしかなく、頭上に明かりとり用の小さい壁穴が空いているだけである。
「でも、怖かったよね。ごめんね、私がこんな作戦立てちゃったから……」
「ミオちん、自分を責めないで。あたしが囮になりたいって言ったんだもん、そのくらいの覚悟は出来てたよ。それに、ミオちんの作戦がなければタニアさんたちは見つけられなかったよ」
「タニアさん、たち?」
「そう。あのね、タニアさんが拐われてここに連れられたあと、グプタさんもここに拐われてきたんだよ。ここに入る途中、あたし見たの」
グプタさんの方はひどい怪我をしてたみたいだったけど、と悲しそうに思い返しながら、シーラは言った。
「それじゃあ、ここに二人がいるのは間違いないんだ」
私は小さく安堵した。グプタさんの状態が心配だが、二人が一緒にいるならひとまず一安心だ。
「でも、ユウリちゃんたちがここに来るまでは結構時間
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