第1部
ポルトガ〜バハラタ
バハラタ東の洞窟
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う。あんなおっきい体しててさ、人一倍お人好しなんだよね。おまけに、あたしのために仕事を探してくれたんだけど、今まで仕事なんてしたことないって言ったら、アルヴィスったら、自分の仕事わざわざやめて、あたしが出来そうな仕事を一緒にやってくれたんだ」
「アルヴィスさん、すごい……。ってことは、もしかしてその仕事ってバニーガール?」
「ううん。最初は劇場のお掃除とか、劇団員の料理作ったりとか、裏方が多かったよ。世間知らずなあたしに気を使ってくれたんだと思う。でも、結局みんなうまくいかなくて、最後にたどり着いたのが、バニーガール姿で給仕をする仕事だったの」
「……」
「でも、そのころからかな。もともと暗い性格だったあたしが変われたのは。今思えばバニーガールは天職だと思ってるし、アルヴィスもすっごくサポートしてくれたから、本当に助かったよ。まさかアルヴィスも一緒にバニーガールをやるとは思わなかったけれど」
「あはは、アルヴィスさんも元々バニーガールやりたかったんじゃない?」
「うん、そうかも」
そう言って、二人で笑いあう。だって、シーラがいなくなってもバニーガールをやってるんだもん、絶対自分の趣味も入ってるはず。
まあ、それはさておき、それを抜きにしてもアルヴィスさんはシーラを救ってくれたんだ。そしてシーラも、アルヴィスさんを恩人として慕っている。
だからこそ、余計にアルヴィスさんに迷惑をかけたくないという思いもあったのではないだろうか。
二人は心を許しあっているように見えるけど、おそらくシーラのほうから壁を作っているのかもしれない。
「でも、本当はアルヴィス、あたしのこと迷惑だったのかなとか、思ってさ。だって何もできない私をずっと面倒見てくれたんだよ? 普通だったら追い出すじゃない? でもアルヴィスは優しいから、そういうこと言わないでいてくれてたんだと思うと、申し訳なくて……」
「シーラ……」
「ミオちんだって、こんな足手まといのあたしをいつも気遣ってくれるし、ユウリちゃんもナギちんも、あたしのこと見捨てたりしないし、皆優しすぎるから、余計あたし、肩身が狭くて……」
話しているうちにどんどん涙が溢れだし、泣きじゃくるシーラ。ここまで聞いて、やっとシーラの本音がわかった気がした。
私はシーラの背中をポンと優しくたたく。
「私も皆も、シーラが足手まといだなんて思ってないよ。ユウリも口ではああ言ってるけど、本当はそんなこと思ってないんじゃないかな。もしそうなら、シーラだけじゃなく、私もルイーダさんのところで仲間にしてなかったと思うよ」
「……!」
「シーラはシーラの魅力がある。一緒にいて楽しいし、いつもこっちまで元気になれる。だから、迷惑だとか思わないでほしいな。だって、シーラがいなくなるなんて、考えるだけでも嫌だもん。……きっ
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