最終章:無限の可能性
閑話19「それでも神として」
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く。
命中してもしなくとも、足止めとしては十分だ。
「ッ……!」
反撃がない訳ではない。
先ほど追いついてきた神の他にも、肉薄してくる者はいる。
その攻撃を躱しながら、サフィアは結界内を逃げ回る。
ルビアも同じように立ち回り、結界内を紅と蒼が駆け回る。
「捉えましたよ!」
「ここです!」
そんな中でも、二人は連携を取る。
サフィアに肉薄する“天使”に、その後ろからルビアが追い付く。
そして、すれ違いざまに二人で攻撃と反撃を叩き込んだ。
「トドメです!」
さらにルビアが極光を放ち、トドメを刺す。
その極光は“門”から別の小部屋に散っていく。
「ッ!」
敵も結界に慣れてきたのか、次々と肉薄してくる。
それを、サフィアは理力の武器を展開して捌く。
しかし、サフィアは特別強い力を持っている訳ではない。
白兵戦であれば、優輝どころか緋雪や奏にも負けうるだろう。
だからこそ、攻撃を受け流し、目の前の神を退けた直後に逃げ出した。
「こうなったら……出来る限り逃げ回りますよ!」
「はい……!」
逃げ回り、置き土産に極光を放つ。
どの道、結界を突破するには二人を倒すか“領域”を叩き潰す力が必要だ。
結界として展開された“領域”を叩き潰すには、それこそイリスでも無理だ。
そのため、残る手段として術者の二人を倒す必要がある。
裏を返せば、倒れさえしなければそれだけで二人は足止めを果たせる。
「はぁっ!」
理力の塊で攻撃を弾いて逸らし、空いた手で極光を放つ。
サフィアの蒼い極光が肉薄していた神を弾き飛ばし、結界内へと散っていく。
それに応えるように、ルビアも別の場所で極光を放つ。
「(ジリ貧……いえ、上手く立ち回れば十分勝てる見込みはあります)」
追いつかれ、引き離し、その度に結界内を極光が飛び交う。
一見、彼女達が追い詰められているだけに見えるが、それは違う。
完全な優位性を持つ結界内は健在だ。
そこから先ほどと同じように数を減らせば、そのまま勝てる可能性は十分にある。
「(……彼は、虚数の彼方にある“可能性”を掴みました。であれば、私達とて万に一つ程度の“可能性”は掴んで見せませんとね……!)」
決意を新たに、サフィアは速度と振るう理力のギアを上げる。
“最悪、足止めすれば十分”。そんな思考など捨てて、勝ちに行く。
「……ッ、はぁ、はぁ、はぁ……!」
そして、視点は戻り、ズィズィミ姉妹。
大量の神の攻撃を受け続けていたエルナは、目の前の光景をただ見つめていた。
「……どうやら、間
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