最終章:無限の可能性
閑話19「それでも神として」
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で一種の迷宮を作り出していた。
「くっ……!」
「足元が疎かですよ?」
それは、まさに万華鏡。
四方八方がルビー、またはサファイアのレンズに覆われた小部屋だ。
それが無数に隣接して展開されているのが、この結界だ。
そして、そのレンズは別の小部屋と繋ぐ“門”となっている。
ルビアとサフィアはその“門”を自由自在に行き来し、敵軍を翻弄していた。
「生憎、これぐらいしか貴方達を止められないんで」
「悪く思わないでください」
時折、合わせ鏡のようにルビアとサフィアは分身する。
その事も相まって、まさに万華鏡と表せる。
それがこの結界、“迷宮万華鏡”だ。
「無駄ですよー無駄無駄」
敵も負けじと攻撃を放つ。
しかし、その攻撃はレンズに吸い込まれ、別の小部屋へと転移する。
単純な攻撃は直接当てない限り決して命中しないのだ。
「そこです」
敵にとって、結界内の“門”はどこに繋がるのか分からない。
対し、スフェラ姉妹は完全に把握している。
そのため、ルビアが挑発し、サフィアが不意打ちで仕留めるという構図が出来上がり、それによって敵の軍勢を抑えていた。
「(ここまでやって、ようやく拮抗……ですか)」
この結界は二人の“領域”を利用している。
これを突破される事は、イコール二人の敗北だ。
それだけの優位性を発揮できるのだが、それでようやく互角だ。
僅かでも油断すれば、二人の優位性は瓦解する。
「しまっ……!?」
「(故にこそ、確実に数を減らす……!)」
結界の性質上、敵は孤立させやすい。
それを利用し、二人はまず“天使”を倒していく。
確実に“領域”を破壊し、数を減らしてより優位に持っていく。
「ッ!!」
無論、敵もそれに気づかないはずがない。
直接的な戦闘力が高い神が、すぐに二人に追いつく。
結界を利用した変則的な移動であっても、単純な強さで追いつかれてしまう。
すぐに別の小部屋へ移動し、さらにでたらめに移動する。
「ッ、邪魔です……!」
行先に別の神がおり、理力と理力がぶつかり合う。
その衝撃波が“門”を通って別の小部屋にも届く。
「サフィアちゃん!」
「ぐっ……!」
即座にルビアがフォローに入る。
神を怯ませ、その隙に二手に分かれて別の場所へと移動した。
「(追いつかれるのなら……!)」
移動しながら、サフィアは極光を壁に向けて放つ。
万華鏡の性質を持つのがこの結界だ。
壁に向かっていく極光は、その“門”を通じて他の小部屋に転移する。
転移した極光はさらに転移し……結果的にほとんどの部屋に極光が届
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