最終章:無限の可能性
閑話19「それでも神として」
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正気に戻した女神は“回復の性質”。
文字通り、回復に長けた“性質”だ。
その力は“領域”の消耗すらも回復させてしまう程だ。
「させるか!」
「甘いのぅ」
即座にそれを阻止しようと、別の神が女神に襲い掛かる。
しかし、天廻が割り込み、体勢を“廻す”。
体勢を崩した所へ理力をぶつけ、他の神々を巻き込んで吹き飛ばした。
「全ての業は巡り巡りて自らへと還る。廻り、廻る、それこそが因果」
膨大な理力が天廻を中心に渦巻く。
女神の回復によって理力に余裕ができたため、反撃に出たのだ。
「ほれ、お返しじゃ」
―――“悪因悪果”
渦巻いていた理力は、幾重にも分かれた極光となって神々を襲う。
それも、特に天廻を攻撃していた神を狙って。
「ッ―――!?」
その速さと威力は相手によってバラバラだ。
まさに悪因悪果。天廻に対し苛烈な攻撃を仕掛けた者程、それは高かった。
「本来ならば、これ程ではありゃせんよ。今回は特別仕様じゃ」
疲労の汗を滲ませながら、天廻は言う。
回復した分の理力も注ぎ、効果を底上げしておいたのだ。
「因果応報、全ては廻り廻りて自身に還る。……それが儂の“性質”じゃ。覚悟せい。例え儂を倒そうとも、その因果は返ってくるぞ?」
再び“回復”してもらいながら、天廻は不敵に笑う。
力の消耗を気にする必要がなくなった今、危ない綱渡りの必要はなくなった。
「儂らにも神としての誇りはある。……こうして数多の世界を巻き込んでおるがな……。それでも、神として儂らは貴様らを抑えて見せよう」
そう言って、“回復”した理力を片っ端から体中に巡らせる。
普段保有している分の理力では到底賄い切れない身体強化だ。
消耗した分を“回復”出来る今だからこそ出来る反則技である。
「ふんッ!!」
杖を一振り。
それだけで、障壁を軋ませる衝撃波を繰り出した。
「恐れを知らぬ者から、かかってくるがよい」
片手にイリスの正気を解くための理力を集束させつつ、天廻は構えた。
“回復の性質”さえある限り、最早天廻に負けはなかった。
「そっち行きましたよー!」
「了解です……!」
最後に、ルビアとサフィア。
二人は、戦場を完全に結界で覆いつくしていた。
足止めする“意志”と二人の“性質”を合わせ、無視して進めないようにしたのだ。
「はぁっ!」
「おおっと、後方注意ですよ」
“紅玉の性質”と“蒼玉の性質”。
ズィズィミ姉妹と同じく姉妹である二人も、お互いの“性質”を掛け合わせられる。
それによる結界
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