最終章:無限の可能性
閑話19「それでも神として」
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けるのも時間の問題だ。
「(とにかく耐え、出来る限り味方を増やす。それが、今の私のするべき事。……皆さんも頑張っているのですから、神として私も頑張りませんと)」
先ほどと同じように防戦一方になりながらも“祈り”を溜める。
同じ事をさせないように敵も祈梨を狙うが、“奮闘の性質”の神がそれを阻む。
即席のコンビだが、それぞれが役目を理解しているため、良い連携を取れていた。
「まだまだ私は、私達は足掻きますよ……!この先へは進めないと思う事です!」
反撃の極光を放ちながら、祈梨はそう宣言した。
「ぬぉおおおおおっ!!」
所変わり、天廻の方では危なげながらも拮抗していた。
“廻す性質”によって、天廻を無視して進もうとする神々の位置を“廻し”、それによって足止めを成していた。
「ふんッ!!」
戦いそのものも、天廻は優輝に近いスタイルだ。
無駄なく、的確に力を振るい、反撃ごとに敵を吹き飛ばす。
「ふーッ……!」
天廻の“廻す性質”は、本来輪廻転生などに関わる“性質”だ。
だが、空間などを“廻す”事で転移や一種の隔離結界を作り出せる。
加え、その応用で敵の攻撃が直撃しないように“廻す”事も出来る。
そのため、白兵戦で天廻を傷つけるのは至難の業だ。
「全く……老体は労わらんか……!」
しかし、それらに力を使い続けるが故に、消耗が大きい。
堅実な立ち回りで消耗を減らしていても、スタミナが尽きるのは時間の問題だ。
技術等が高い代わりにスタミナが少ないのが、老体の神の特徴だ。
天廻もそれに漏れず、既に息切れが始まっていた。
「ぉおっ!!」
雄叫びと共に理力の杖を一突き。
襲い掛かった“天使”を貫き、その背後の極光をも貫く。
「巡り、巡りて、全ては正常へと廻り戻る」
座標を“廻し”、攻撃を掻い潜る。
ついでに杖を引っ掛け、多少のダメージを与えつつ体勢も崩させる。
「その身の業を清めよ」
そして、一人の女神の背後へと回り込み、“性質”を叩き込む。
「“輪廻清浄”!!」
ぐにゃりと、円を描くように神が歪む。
声を上げる間もなく体は捩じ切られ、しかし元に戻った。
「状況は理解できておるかの?」
「……はぁい。それはもう、身に染みてわかってますよぉ……」
そう。洗脳含めて元に戻ったのだ。
祈梨と同じように、天廻も正気に戻す手段を持ち合わせていた。
それによって、一人を正気に戻したのだ。
「すまんが早速回復を頼もうかの」
「お安い御用でぇ」
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