第三章
[8]前話
「寂しそうに見ながら警戒していましたが」
「懐いている感じがしますね」
クリスティーナが言ってきた。
「今は」
「はい、有り難いことに」
「それは何よりですね」
「時間がかかりましたが」
それでもというのだ。
「そうなりました」
「それは何よりですね」
「本当に。ですがこうした子が少しでもです」
「減っていけばいいですね」
「そう思ってこの子達と一緒にいます」
「私達に出来ることは少ないですが」
シャオロンの妻である彼女も二人に話した。
「こうして出来る限り引き取って」
「家族として育ててですね」
「大事にしていって」
そうしてとだ、彼女もスティーブに話した。
「そうした子達を幸せにして減らしていきたいです」
「そうですか」
「私達に出来る限りのことをしていきたいです」
こう話す二人だった、その二人との会話を終えてからスティーブとクリスティーナは二人とまた会おうと約束をして別れた、そうして。
二人の家に帰るとスティーブは妻に話した。
「僕達もね」
「ええ、出来る限りのことをしてね」
妻も応えた。
「ウィジーみたいな境遇の子を減らしていきましょう」
「引き取ってね」
「家族として大事にしてあげましょう」
「そうして保護犬や保護猫の活動にもね」
「関わっていきましょう」
「僕達に出来ることは僅かでも」
シャオロンが言ったことを自分もと思いながら言った、所詮はカナダの一市民に過ぎないとである。
「それでもね」
「一人でも多くの人が出来ることをしていったら」
「その分力になるから」
「そうね、それじゃあね」
「出来ることをしていこう」
「少しでもね」
夫婦でそうした話をしてからウィジーの散歩に行った、二人と一緒に散歩に行った彼は尻尾を左右に振って実に楽しそうだった。最初の頃の怯えは消え去っていてもうすっかり二人に打ち解けていた。
次第に落ち着いてきた子達 完
2021・1・28
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