暁 〜小説投稿サイト〜
幻の月は空に輝く
フラグは回収される為にあるらしい
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動かしてイタチの横を歩いていたら、イタチが私の方をちらりと見た後、視線を木々の方へと移す。
 ………。
 そこまで今の私は危険人物だっただろうか。
 この子供らしい可愛らしい笑顔。自分で言っている時点で色々と終わっているような気もするけど、そんな可愛らしい笑顔は目を逸らす程?
 何?
 歩き出してそれ程の時間が経っているわけでもないのに、このへこみ時間は。時間と精神疲労が明らかにあっていないがどうだろう。私の気のせいなのか。
 思わず天華に助けを求めようとしたけど、天華は危険を察知してか私の肩から飛び立ってしまう。
 …………。
 そうだね。
 天華もこの状況どうしようと聞かれた所で困るよね。相手はイタチだし。なんだろうなぁ……この会話能力のない三人。
 たそがれている私とは対照的に、イタチはあくまでもマイペース。表情を崩す気配すらない。
 私の方が嬉しくないけど中身は大人なのに、と言ってみた所で、状況は何一つ変わらなかった。


 ぽてぽてぽて。
 忍らしくない足音が響く。
 勿論犯人は私だったりする。足音をさせないで歩けるけど、子供らしくという事を前面に押し出して足音をたててみる。
 しかし、私の家は里の外れ。うちは一族の居住区からは結構離れていてね。つまり疲れたんだよね。
 距離あるし。コンパス短いし。沢山手足を動かせばどうしてもかったるくなってくる。そういえば庵に篭って少し睡眠時間を削っていたっけ。ご飯は両親と一緒に食べるから、三食はきっちりだけど。まぁ、そんな感じで今日は早めにバテ気味なんだと思うんだけどねー。

「大丈夫か?」
 私の表情に疲れが出ていたのか、イタチが足を止めて私の顔を覗き込むように問いかけてきてくれた。
「大丈夫」
 疲れたけど歩けない程じゃないし。
 けれど先が見えないっていうのは体力的にキツイから、後どれぐらいかだけは聞いておこう。そうすれば多少なりとも楽になると思うしね。
「イタチさん。後、どれぐらい?」
 歩けば着くのかな?
「もうじき……後5分程か?」
 曖昧に答えようとしたイタチに、はっきり答えてほしいなぁ、という視線を向けてしまう。この疲労で曖昧な答えは堪えるんだよね。
 けれど語尾にハテナマークをつけられても私もわからないと肩を竦めてみる。
「俺に聞かれても」
「それもそうだな」
 ここでイタチの天然疑惑を持ち上げてもいいだろうか?
 それもそうだなと真顔で答えたイタチに、私はそんな疑惑の眼差しを向ける。こうしてみると、幾ら大人びているといってもまだ子供だ。
 イタチの子供らしい一面を見れてホッとしていたら、まだ離れているけどうちはマークが見えた気がした。
 あぁ、あの一角がうちはの居住スペースなんだ。広いなぁ。流石木の葉の名門うちは一族。

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