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レーヴァティン
第百八十九話 流れは次第にその四

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「そう言うべきだ」
「そうか、じゃあな」
「今からいいな」
「ああ」
 久志は正の言葉に頷いて述べた。
「そうするな」
「邪魔ならどけることだ」
「もうどうしてもこっちにつかないならか」
「それも一つのやり方だ」
「そういうことか」
「自分が可愛がっていたペットを飽きただの興味が他にいっただの言って邪魔だと言って捨てる奴はそいつこそ捨てるべきだが」
 正はそうした輩にははっきりと敵意と嫌悪を向けて言った。
「気が済むまで殴った後でな」
「そういう奴に容赦は無用だな」
 久志も平然と返した。
「命を何だと思ってるんだ」
「そうだな、俺の親戚でもいたがな」
「そんな奴がか」
「そいつは親戚全員から絶縁されて家から叩き出された」
 自分の方がそうなったというのだ。
「今は誰も付き合っていない」
「家から叩き出されて当然だな」
「そうだな、だがこうした場合はだ」
「政治的に邪魔だとか」
「しかもそれがああした連中だとな」
「尚更か」
「排除すべきだ、だからだ」
 それ故にというのだ。
「ここはだ」
「工作員を送って暗殺してか」
「その施設に攻撃も行ってな」
 そしてというのだ。
「そのうえでだ」
「いなくしてか」
「一時的でもな、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「モスクワに投降を促すぞ」
「身と財産を保証してな」
「ならいいな」
「ああ、それじゃあな」
「よし、おいらが行くよ」
 淳二が笑顔で言ってきた。
「潜入とか隠密は得意だしね」
「だからだな」
「任せてね」
「こうしたことが得意な兵隊を連れてか」
「そしてモスクワに潜り込んで」
 久志に明るい口調で話した。
「連中を暗殺していくよ」
「宜しく頼むな」
「うん、夜のうちに潜入して」
 そしてというのだ。
「やっていくよ」
「それじゃあな」
「盗賊は時として忍者と同じことが出来るよ」
「というか似てるよな」
 久志は淳二にそういえばという顔で応えた。
「盗賊と忍者ってな」
「そうだよね」
「軍にいると尚更だね」
「その任務も近くなってな」
「それでね」
 そのうえでというのだ。
「だからね」
「やってくれるな」
「そうするね、ただね」
「ただ?」
「殺した証に首や耳を送ったりとか」
「そうしたことはか」
「やったって証拠になるけれど」
 その者を始末したとだ、敵を倒した証褒美の根拠になる為にその敵の首や耳を持って行くことはこの世界でもあるのだ。
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