エピローグ
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れって……もしかして」
「受けてくれるの? くれないの?」
少し語気が強めだった。
ハルトは仕方なく、ルビーの指輪を使う。
ウィザードの変身とともに、可奈美も白い写シを纏った。
「一つだけ聞かせて。それは、何のために使うの?」
「新しい剣の可能性を見たんだよ? 習得したがるのは当然じゃない?」
「……ああ、そうだね。君はそういう人だったよ」
『コネクト プリーズ』
ウィザードはウィザーソードガンを掴む。
可奈美は千鳥をクルクル回しながら続ける。
「それに、覚えておきたいんだ」
「?」
「たった一人。私だけにしか使われなかった技だから。あの子がこれを作ったってことを、しっかりとこの世界に残しておきたいから」
「そっか……」
ウィザードは、ソードガンを構えた。
「悪いけど。俺も本気で行くよ」
「うん!」
冬の空気の中。
魔法使いと刀使は、ともに動き出した。
「うわっ!」
予想通りの大きな声が上がった。
友奈は真司の頬に当てたアイスコーヒーを離す。
「ビックリした……友奈ちゃん、ずいぶん古典的なことを……」
「えへへ。ちょっとイタズラしたくて。何考えてたの?」
「ん? ああ」
真司はゆったりと河原の芝に寝そべる。
「昔言われたこと、考えていた」
「言われたこと?」
友奈は真司の隣で腰を下ろす。
真司は夕焼けの空を見上げながら言った。
「俺が龍騎になって少しの時にさ。その甘さで誰かを殺せるかってさ」
「……」
友奈は、静かに真司の顔を見つめながら耳を傾けた。
「俺さ。前にも、こういう聖杯戦争みたいなのやったことあるんだ」
「……そうなんだ……」
「あの時は、結局俺も途中で倒れてさ。なんていうか……結局、止められなかったんだよ。戦いを」
「……」
「でもさ。実際に、人にファイナルベントを……戦いを止めるためとはいえ、使ったからさ。なんていうか……キツイな」
真司は、懐からカードデッキを取り出した。カードを引き抜くと、彼の必殺技のカードが現れる。
「俺さ。もう、このカードを人に使わないようにしたいんだ」
「うん」
「だからさ」
「分かってるよ」
友奈は、真司の言葉を引き継いだ。
「絶対に止めよう。この戦いを」
友奈は、静かに真司に拳を突き出した。
少し驚いた様子の真司は、静かに頷く。
「ああ」
河原の夕日の中、二人のサーヴァントは静かに拳を合わせたのだった。
次回予告
『Gatrandis babel ziggurat edenal
Emustolronzen fine el baral z
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