あの人が大好きな世界
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のドラグクローファイアと昇竜突破が、アマゾンフレアに命中する。
「ぬおおおおお!」
その炎は、アマゾンフレアの炎さえも消し飛ばす。転がったアマゾンフレアは、明らかに大きなダメージを受けていた。
「はあ、はあ、はあ、はあ……」
龍騎の腕から、ドラグクローが落ちる。疲労のあまり、変身まで解除された。
「やった……のか?」
屋上の一角。雨はいつまでも止まないのに、龍が燃やした炎は、いつまでも消火しない。
「おい……大丈夫か?」
真司は急いで炎に近づく。その時。
「ぐあっ!」
炎の魔人の手が、真司の首を掴んだ。そのまま真司を持ち上げ、呼吸がしづらくなる。
「あっ……」
「こんなことで、私の望みは潰えない」
炎の中より、アマゾンフレアがその姿を現す。だが、その姿はさっきまでの完全なものではない。鬣はすでに炎でボロボロとなっており、全身も大きなダメージで傷だらけになっていた。アマゾンドライバーも破損しており、目の部分に大きなヒビが入っている。
だが、その青い目だけは、まるでフラダリの目がそのまま映っているかのように、強く真司を見据えていた。
「私が世界を変えるのだ! 君に、その邪魔は……っ!」
させない。そう言っていたのだろう。
だが、続かなかった。
耳を防ぎたくなる音。筋肉が破壊される音。
「な……に……?」
真司と、アマゾンフレアはともに見下ろす。そして。
「ばかな……?」
その腹より、アマゾンネオの腕が突き出ていた。
「ち……ひ……ろ……! 貴様……!」
アマゾンフレアの言葉を無視し、彼の背後……炎の中から、アマゾンネオがその姿を現す。
「もうやめよう……フラダリさん……」
「貴様、アマゾンの世界を捨てるというのか……!」
「俺は、姉ちゃんがいた……姉ちゃんが好きな、この世界を守りたい。姉ちゃんのことを覚えてくれる人がいる世界がいい。姉ちゃんが生きていたこの世界がいい。俺が……たとえ俺が生きてはいけない世界になったとしても!」
「千翼……千翼! おのれ……!」
「だから……俺たちは、一緒に行こう」
アマゾンネオの装甲が全てパージ。アマゾン態となり、残った五本の腕で、フラダリを捕まえる。
「よせ! 千翼! 放せ! ええい、こんな傷、アマゾンの体ならばすぐに治る!」
「放さないよ。俺たちは、もうこの世界に生きてはいけない。俺だって生きたいけど、それより、姉ちゃんが……みんなが、自由に生きられる世界にしたい。ライダー」
アマゾン態が___その瞳は、間違いなく千翼のままのものだった___冀う。
「お願い」
「……変身……」
鏡の像が重なる。
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