暁 〜小説投稿サイト〜
おっちょこちょいのかよちゃん
119 届いた年賀状
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
、あの山田かよ子ちゃんって子からのじゃない」
「ね、姉ちゃん!ノックぐらいしてから入ってくれよ!」
 杉山は姉の登場に驚いた。
「はいはい、ごめんなさいね。あんた案外、あの子の事、気にしてるのかしら?」
 姉はそう言って出て行った。
(確かに、あいつの事気にしてるかもしれねえな・・・。あいつが俺の事好きだからか?)

 かよ子は母にりえからの年賀状を見せた。
「お母さん、りえちゃんから年賀状が来たよ」
「あら、良かったわね。お母さんの所にもりえちゃんのお母さんからの年賀状が来たのよ」
「え、そうなの!?」
「『今度の休日にまた来ます』って言ってたわ。成人式の日があってその連休に来ると思うわ」
「成人式の日の連休か・・・」
 かよ子はりえとまた会えると思うと待ち遠しく、同時にまた何か大事な話でもあるのではと思った。

 大野の家では大野も自分に来た年賀状を確認していた。真っ先に杉山から来た年賀状を見た。「運動会の時は本当にごめんよ」とあった。
(あいつ・・・。やっぱり気にしてたのか・・・)
 大野は運動会の時に杉山と喧嘩した事があり、一時期は口を聞くことがなかった。しかし、クリスマスの合唱コンクールの時、自分が独唱する部分で声が出なくなってしまい、即刻で杉山が代わりに歌ってくれた。やはり、その間、自分も杉山もどこかで仲直りしたいという気持ちがあったのだろう。そして大野は次の年賀状を見る。冬田からだった。「大野君と今年も素敵に過ごせたらいいわね」と書いてあり、読むと気分が悪くなりそうな文だった。気を取り直し、ブー太郎からの年賀状を見る。「今年も子分として精一杯お役に立てるよう頑張りますブー」とあった。
(そうだな・・・、あの戦いも終わらせないとな・・・)
 大野は杉山やブー太郎達と共にあの戦いを終わらせ、元の日常を戻したい。そう思っていた。

 冬田は大野からの年賀状で自分の思いが伝わったか気になっていた。
(ああ、私の王子様、大野くうん・・・)

 笹山は自分に届けられた年賀状を見る。女子の友達の年賀状が多いが、その中で数少ない男子からの年賀状があった。その一人の中にあの行方不明の男子から来たものもあった。
(藤木君からの・・・)
 きっと行方不明になる前に書いて出したのだと笹山は思った。その中に「今年こそは卑怯な事しないように頑張ります」とあった。
(藤木君、今、どこにいるの・・・?)

 かよ子は正月の空を見上げた。
(こんなのどかなお正月なのに緊張感がする・・・。でも、またりえちゃんに会えるし、きっと一緒に戦える時が来るよね?それまで待っていよう・・・)
 かよ子は誓い続ける。絶対に元の日常を取り戻すと。そんな中、母が部屋に入って来た。
「かよ子、とし子ちゃん達よ」
「あ、うん」
 かよ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ