今日よりも悪くなる明日
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けられているそれは、中心にまるで赤い目がついているようだった。
「必要とか不要とか、そんなこと、他の誰かが決めることじゃない!」
今度は真司も主張する。それはどうやらフラダリの琴線に触れたようで、彼の眼差しがライダーのサーヴァントも突き刺す。
そして。
「仕方ない」
それを腰に装着。機械より、不気味な起動音が流れた。
「私の手で、君を排除する」
グリップ部分を握る。
千翼の腰にある機械の試作品。アマゾンドライバーたるそれを握ると、『フレア』という音声がした。
やがて、目の形をした部分が紅蓮に発光。フラダリの全身に、黒い血管___間違いなくアマゾン細胞___が流れていく。
「アマゾン」
静かに。だがはっきりと。
灼熱の炎により、フラダリの体が包まれていく。
雨水を、そして天の雨雲を蒸発させるそれは、他のどの世界にもない、まったく新しい戦士の誕生の産声だった。
それは、別世界におけるアマゾンシグマにもよく似ていた。だが、その体色は、暗い今よく目立つ赤。そして、その爬虫類のような顔には、ライオンのような鬣が生えている。
「今名付けよう……この戦士の名前を」
フラダリだった存在は、自らの体を見下ろしながら宣言した。
「アマゾンフレア。この世界を平和に導く者の名前だ」
アマゾンネオとほとんど近いポーズで、臨戦態勢を示すアマゾンフレア。
友奈は、真司と目を合わせる。
「真司さん。行くよ」
「ああ。死ぬなよ。友奈ちゃん」
真司はその言葉とともに、カードデッキを掲げる。すると、どこから飛んできたのか、銀のベルトが彼の腰に装着された。
「千翼くん。下がってて」
友奈は、千翼を背中に回す。
「友奈さん?」
「私は、本当は人とは戦いたくない。聖杯戦争だって、誰かと戦いたくない。でも、フラダリさんは……この人だけは、戦わなくちゃいけないと思う」
警報はずっと鳴り響いている。樹海化の時と同じ危機だと、友奈も感じていた。
「だから……行くよ、真司さん!」
「ああ!」
真司が右腕を斜めに伸ばすと同時に、二人は叫んだ。
「「変身!」」
どんどん雨が強くなる。
仮面契約者と勇者は、平和に同時に駆け出した。
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