2 学校
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」
「藤木君とは昨日会っているの。昨日清水がどんな町なのか見て回っていたら偶然会ってね、ね?藤木君」
「うん、そうだよ」
「でも、文通してたんじゃないの?藤木からラブレターもらってさ」
「文通?返事は出したけどあれから何もなかったの・・・」
藤木は隠しておきたかったことをばらされてしまい、凍りついてしまった。
(ああ、リリィ、それは言わないで欲しかったよ〜、さくらもそんなこと聞くなよな!)
「藤木、アンタ上手くいってたんじゃなかったの?」
藤木はまる子に疑いの目を向けられた。
「じ・・・実は返事にはギターを弾いていた人なら喜んで文通させていただくと書いてあってリリィは僕じゃなくて、花輪クンがいいんだと思って諦めたんだ」
「ふうん、それを隠してたわけか・・・」
まる子は藤木を軽蔑した。そのとき永沢が言葉を発した。
「藤木君、君は上手く行っているように見せかけて隠していたなんて、本当に卑怯だね」
また言われた、卑怯・・・。藤木は自分を追い詰めなければならなかった。
「フンッ!ちょっとアンタ、私の花輪クンと文通で仲良くなって狙おうなんて許さないわよ!フンッ!」
みぎわ花子が鼻息を荒げてリリィに詰め寄った。
「え・・・!?」
「ちょっとみぎわさん、落ち着きなよ」
まる子がみぎわを抑えようとした。そのときお金持ちのお坊ちゃまの花輪和彦も口を出した。
「まあまあ、みぎわクン、落ち着き給え。僕は誰とでも文通してもOKだよ、Baby」
「なら花輪クン、私と今日から文通しましょ〜」
「う・・・君とはいつも学校で会っているじゃないか・・・」
みぎわと花輪の暑苦しそうな会話をよそに、リリィが喋った。
「でも、藤木君は悪くないわ。私の返事で藤木君を落ち込ませたのが悪いのよ」
(リリィ・・・。はあ、こんな卑怯な自分を庇ってくれるなんて、ホント僕って情けないなあ)
そのとき、みぎわに苦労していた花輪が呼びかけた。
「あ、そうだ、今日みんなで僕の家でリリィクンの歓迎Partyをやろうじゃないか」
「いいね、賛成〜!」
「楽しみだブー!」
「ありがとう、花輪クン。藤木君ももちろん行くよね?」
「え・・・、うん、もちろんさ!」
「花輪くう〜ん、私も行っていいわよね〜」
「ああ・・・、いいとも、Baby」
(花輪クンは渡さないわよ・・・!フンッ!)
みぎわはヤキモチの炎を燃やしていた。
次の休み時間、トイレから戻っている藤木を誰かが呼んだ。笹山だった。
「藤木君。リリィさんって人と知り合いなの?」
「あ・・・、その、夏休みに花輪クンの別荘へキャンプに行ったときに出会ったんだ」
「じゃあ、藤木君ってあの人にラブレターを出したの?」
「・・・うん、そうなんだ」
「へえ〜。藤木君、また会えてよかっ
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