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幻の月は空に輝く
修行の章――意外なフラグ発生
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「……弟と同じ年か」
 ちなみに、私は性別を間違われてます。
 色々と間違われてます。お父さんが親馬鹿を発揮して、こんなに可愛いのに女の子の格好をしたら攫われる!なんて叫んで、否定しないでおいたらいつのまにかランセイ=男の子っていう認識になってた。
 将来的にはナルトの親友ってポジションにつきたいから、女の子なランセイより男の子なランセイの方が便利そうでいいんだけどね。
「………」
 さて。そろそろイタチは里抜けの時期かな、なんて思ったら上手く喋れなくて、私はもう一度だけ頭を下げて身を翻した。
「ホント、カシュウさんと似てないですよね」
 あまりの無口っぷりに、しみじみと呟くカカシの声が聞こえる。あー。馬鹿だなぁ。と私が呟くと同時に、ジリジリと燃える音。
「俺の気にしてる事を。カカシくぅん。覚悟はいいかなぁ?」
「え? 気にしてたんですか??」
「カカシさん。有名な話しですよ」
 あらら。イタチにまで言われてる。新客がお父さんにソレを言って、たたき出された事件は有名だと思ってたんだけど…。可哀想に。カカシは不在だったか。さっきまで私と修行してた所為か、お父さんの準備はオッケー。チャクラの練り方も相当気合が入った状態。
 対するカカシは壊れた武器を打ち直しにきた客人。
 私のクナイ攻撃を完封した上忍だけど、あくまで客人だ。仕方ないと、私はホルスターから組み立て式の扇子を取り出すと、それを開いてチャクラを乗せた。
 ふわり、と私から発せられる風によって靡く髪。
「ちょっとカシュウさん!」
 焦ったように叫ぶけど、その実動きは冷静そのもの。写輪眼のカカシは伊達じゃなし見てて勉強にはなるけど、流石に客人にそれはまずい。まぁ、ここで怪我をしてもお父さんの所を利用するだろうけどね。 
 お父さん。鍛冶屋カシュウは木ノ葉でも腕利きとして名が売れているし、それに四代目であるミナトさんが利用していた鍛冶屋でもある。
 それでカカシとお父さんも顔見知りで前々から顧客さんなんだけど。
「イタチさん。避けて下さい」
 避けるだろうけど、一応声をかけておく。
「あぁ」
 私の方は見ずに、イタチが頷く。
 印を組んで本格的な打ち合いに発展してきたお父さんとカカシに向かって、私は風を纏わせた扇をブーメランの要領で投げた。ついでに追尾型にしておく。
「「ッ!?」」
 2人して同時に息を呑む音が聞こえたけど、あえて淡々と声をかける。
「お父さん。カカシさんはお客さんだよ。ちゃんと対応して。カカシさん。適当に避けてお父さんに対処させて下さい。イタチさん。お茶でも準備します」
 着いて来て下さいと言えば、イタチに断る理由は無い。
「ランセイーーー」
 その男がいいのか? イタチがいいのか!? なんて涙ながらに叫ぶお父さんはスルー。

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