第肆話「ジョーカー」
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羅の声が聞こえる。
ああ、そうだな。ヒーローは死なない。ここで生きて帰らなくちゃ、約束は果たせないッ!!
「死んでたまるかあああああああああッ!!」
そして、森羅と俺が天井を抜けたその直後だった。
ドガァァァァァァァァンッ!!
大きな爆発音と共に吹き上がった煙炎が、脱出した俺達を吹っ飛ばした。
振り落とされた古達ちゃんとアーサーが宙を舞い、俺もバランスを崩して落下する。
チクショウ、ギリギリ脱出出来たのに爆発からは逃れ損ねたッ!!
「狛司ッ!アーサーッ!猫女ッ!!」
「たぁぁぁすけてぇぇぇぇあわやわわわわわふえぇぇぇぇん!!」
「南無三……」
手足をバタつかせながら絶叫する古達ちゃん。
こればかりはどうにもならない、と諦めた顔のアーサー。
両肩に気絶した隊員を抱えてるため、俺達を助ける余裕が無い森羅。
凄くマズい状況だ……!
空中で体勢を立て直し、何とか二人を助けないと……。
「古達ちゃん!俺に掴ま──べふぅっ!?」
何かが、俺の額に直撃した。
「はにゃあああああああっ!?何でこんな時に脱げちゃうんだよぉぉぉぉぉッ!!」
目の前には落下の風圧でブーツが脱げて裸足になった古達ちゃん。なるほど、それが俺の顔に飛んで来たのか……。
「不幸dぶわぁっ!?」
「にゃあああああああっ!?コートまで脱げたあああああああっ!?」
そして真っ黒なものに覆われる俺の視界。
今の声からして、おそらく古達ちゃんの防火コート。クソッ、前が見えない!!
前が見えない上に何かこう、脱ぎたてコートの生暖かさが顔全体に!!あとめっちゃいい匂いする……ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!!こっちは別の意味でヤバい!!
集中が途切れるし、方向感覚も掴めない……。
誰か……誰か、何とかしてくれぇぇぇぇぇッ!!
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