第肆話「ジョーカー」
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「待たせたな、焔ビト役」
「いやどう見ても違うだろ!?」
キメ顔でそう言ったアーサーにまずツッコミを入れておく。
さっきスタート地点で見た焔ビト役の隊員と明らかに違うだろ!?
そもそも服装からしてどう見ても関係者じゃないぞ、怪しすぎるだろ!!
「アーサー!狛司!競技施設内に不審者が侵入、危害を加えられた2名の隊員が負傷!外の隊長に報告しろっ!!」
「なにっ!?」
森羅の額には切り傷があり、血も出ている。
どうやら本当にアクシデントらしい。急いで報告しなければ……。
だが、このバカ騎士は不敵に笑うと自信満々に言い放った。
「……フッ、嘘をつくな。勝つのは俺だ」
「は?」
「アーサー、森羅は嘘なんて……」
アーサーは俺と森羅の話も聞かず、エクスカリバーを手に不審者へと突っ込んで行った。
「俺が捕まえるっ!!」
「だあああああああっ!バカ騎士ぃぃぃぃッ!!」
「あのバカ!!あーもう、森羅!ここに寝てる2人でいいんだな!?」
「ああ、頼んだ!!」
アーサーが戦ってる間に、焔ビト役と要救助者役の隊員を部屋の隅へと運んでおく。
幸い、息はあるようだ。気絶しているだけらしい。
一方、謎の男はアーサーの剣を全て軽々と避け、笑っていた。
「その剣を振り回して、どう俺を捕まえる気だ?」
「私を、忘れるんじゃねぇぇぇぇぇッ!!」
そこへ、古達ちゃんが猫の如く躍り出る。
猫又の尻尾を伸ばすと、不審者をそのまま縛り付けた。
「捕まえたっ!」
不審者を拘束し、思わず自慢げに笑う古達ちゃん。
いや待て、あの男懐から何か取りだして……ッ!?
俺は反射的に、古達ちゃんの方へと動いていた。
両掌の炎をジェット噴射として、一気に加速する。
「んにゅ?」
「古達ちゃん危ないッ!!」
古達ちゃんを抱え、床に身を投げ出した次の瞬間。
ボンボンボンッ!!
ついさっきまでたっていた場所で、断続した爆発が起こった。
しかもかなり威力の高い爆発、音の正体はこれか!!
「新人大会でここまでするの!?」
「そんなわけあるか!!」
「だから言ってんだろ!競技は中止だ!!」
古達ちゃんもアーサーの言葉を信じていたらしく、驚いた表情で爆煙の先を見つめる。
隣ではアーサーが口を空けてポカーンとしていた。お前はもう少し人の話を聞けこのバカ。
「お前、いったい何者なんだよ!?」
俺の問いには答えず、煙の先で男は、ただ両手指の先に持った小瓶に入った何かの粉末を散布しながら笑っていた。
「森羅ァ〜、お前がヒーローに拘るなら……ここにいる連中を一人残らず助けて見せろ」
「ッ!?またあの灰っ
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