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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
最終章:無限の可能性
第274話「その想いは、決して阻めぬ祈り・後」
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の“性質”は効かない……!」

 元々のプリエール・グレーヌに加え、プリエール・フルールが加わった。
 そして、何度も受けた事により感覚で理解した。
 そこまで来れば、完全な相殺は容易かった。

「お前らぁっ!」

 一人では勝てない。
 そう悟った……悟ってしまった神は、“天使”達に呼びかける。
 だが、その返事は吹き飛ばされてきた事で返ってきた。

「……は……?」

「今ここで戦っているのも、私だけじゃないよ。シュラインが、祈梨さんが、そして……遥か昔の天巫女達が戦っている……!」

 見れば、プリエール・グレーヌから放たれる“祈り”が人の形を取っていた。
 それらは全て、そのプリエール・グレーヌを作った天巫女の“祈り”と“意志”だ。
 司と祈梨による過去の英雄を呼び出した影響で、天巫女達も召喚されていた。
 本人はここにいないが、その“意志”がプリエール・グレーヌに込められた“祈り”を呼び覚ましたのだ。

「“世界よ平穏であれ”。天巫女としての力を全て賭して作られたプリエール・グレーヌ……例え時を経て本当の名を失おうと、その“祈り”は健在だよ」

 祈梨が天巫女として生まれるよりも昔。
 天巫女一族の全盛期とも言える時代にプリエール・グレーヌは生み出された。
 当時、天巫女となる存在は25人おり、全員が天巫女としての司より才能があった。
 次代の天巫女が自分達より才能がない事を悟り、後世に力を残そうとした。
 それによって生まれたのが、プリエール・グレーヌだった。

 世界が平和であるように願われたからこそ、強い力を持つ。
 その事実が、今目の前で繰り広げられていた。

「貴方は私に敗北するんじゃない。……人々が紡いできた“意志”に……積み重ねた“祈り”に敗北するんだよ!!」

「ッッ………!?」

 “天使”達が、天巫女達の“祈り”によって倒されていく。
 同時に、シュラインとプリエール・フルールが光り輝く。

「人から天へ!天から神へ!我らの祈りは無限に続き、夢幻に届く!!」

「(……あぁ―――)」

 “逃がさない”という“祈り”が鎖となり、神は串刺しのまま拘束される。
 そこまで来て、神は力を抜いた。

「想いを束ね、祈りを束ねる!撃ち貫け!!」

「(如何なる“妨害”を以ってしても乗り越える。―――それこそ、我々が見てきた生命達の“意志(輝き)”ではないか……)」

「“夢幻に届け、超克の祈り(アンフィニ・プリエール)”!!」

「(……ならば、こうなるのも道理、か―――)」

 眩いばかりの輝きが、辺り一帯を覆った。










 収まった時には、既に司しかいなかった。
 “妨害の性質”の神が、
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