SAO編ーアインクラッド編ー
03.消えた希望
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仲間に刀を向ける。
........それも眼に涙を浮かべながら。ダイキはミサキの槍を弾き飛ばす。が、ミサキは......いや、ファントムソウルは右手を手刀のようなかたちにしてダイキの体を突き刺す。
「グハッァァァ!!!」
「ダイキ!!!」
ダイキがミサキの体を抱きしめ、動きを封じる。
「......い、ま.....だ。.......俺ごと.....突き.....さ、せ」
「そんなの........」
(俺には、無理だ)
床に落ちる、ミサキの槍を見る。
(俺には無理だ。こんなことなら......)
『逃げるの、シュウ』
頭に直接話しかけてくるように聞こえる聞き覚えのある優しい声が響く。
「.......ミサキ?」
『私はこれ以上、ボスの思い通りにされたくないよ。だからお願い........私を殺して』
「わかったよ、ミサキ、ダイキ」
床に落ちているミサキの槍を拾い上げ右手でそれを持ち構える。
「.......シュ、う......最後、に......たの....みを、聞いて.....くれ....ないか」
かすれるような声でダイキが口を開く。
「おれ.....も、み....サキも.....痛いの......キライ...なん、だ」
「.......わかった」
震える手を必死で堪え、槍を後ろに引き、右足を踏み出すと同時に前へと突き出す。
「うわぁぁぁあっ!!!」
叫びとともに全ての力を込めて槍が...........ダイキとミサキの体へと突き刺した。
二〇二三年五月十一日 第十五層・トラム
あの日、俺は人を殺した。
ボスではなく、人を殺した。
あの時、俺がレベルを偽っていなければ彼らは死なずに済んだ。
俺のせいで彼らは死んだ。
彼らは俺が殺した。
俺が........殺した。
俺が.......殺した。
ピピピ!!
ギフトボックスの表示が浮かび、それを押す。すると六角形の球体が姿を現し、無気力に押す。六角形が光出し空中へと浮かび上がる。
(どうせ、くだらないメッセージだろ)
『よう、シュウ。これを聞く時には久しぶりになるのかな?』
聞き覚えのある男の声。
「......ダイキ」
『多分、これを聞く時には俺たちは死んでると思う。だから、シュウに一人づつメッセージを残そうと思ってな』
「........あいつら」
目に涙がこみ上げてくる。
『まずは俺から、シュウ。お前は優しいやつだ。俺たちが困ってる時に絶対に助けてくれるし、何があっても嫌な顔一つしねぇしな。........うまくまとめれねぇけど、とりあえずこれだけは言っとくぜ....
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