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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
ANSURU其は天上より堕ち流れる死を奏でる者〜MuR〜
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「我は〜ミュール・エグリゴリ〜♪ 世に争いを呼ぶ〜王を打倒する者〜〜♪」

――真技・堕ちた音天使大楽団(エグリゴリ・オルケスター)――

「祝せ、讃えよ、これぞ終曲♪」

「セフィロトの樹、数は3、意は理解、色は黒、宝石は真珠、神名はエロヒム、守護天使はザフキエル!!」

――女神の護盾(コード・リン)――

第3のセフィラ・理解のビナーの魔力15%を使用して、全方位に上級・防性のリンを発動。その直後にすべての楽器から攻撃が放たれた。リンに着弾して爆発、視界がオレンジ色に染まる。それだけでなく衝撃波が途轍もない。これはいつまでも耐えられるものじゃないぞ。

輝きを以って速く(アレグロ・コン・ブリオ)!!」

ミュールがそう指示を出したのが楽器が奏でる音の合間に聞こえた。さらにテンポが速くなって、リンに着弾する攻撃の凄まじさが跳ね上がった。

「あはははははは? さようなら、神器王のお兄ちゃん? 来世に乞うご期待だよ♪」

ミュールが発するのは大人の女性らしい妖艶な笑みと、子供らしい無邪気な言葉。数枚のリンにヒビが入り始めるのを見て「まずいな。間に合うか・・・?」歯噛みしてしまう。ミュールは指揮棒を大げさに振り上げ、

愛情を籠めて(アモローソ)?」

振り落とそうとした。だが「え・・・?」ミュールの口から洩れる息。彼女は驚きによって眼を限界にまで見開いている。楽器からの攻撃が全て途切れる。その直後に数枚のリンと楽器すべてが砕け散った。もう少し遅れていれば、確実に私は敗れていただろう。しかしその未来は起こらなかった。

「・・・・ふぅ。助かったよ、ザフィーラ、シュリエル」

「我が主。少々ご無理をし過ぎです」

「まったくです。あと少し私とザフィーラの回復が遅れていればどうなっていたことか・・・」

私の“エヴェストルム”は双剣形態ツヴィリンゲン・シュベーアトフォルムにされ、それぞれ片方を携えたザフィーラとシュリエルに軽く叱責される。そんな中、「ごふっ、こんな事が・・・」吐血しつつ私を睨むミュール。貫かれた個所からは流血し、“エヴェストルム”の穂を伝った後、地面に滴り落ちる。

「怒りを戦場に持ち込んではいけない。正常な判断が出来なくなるからだ。ミュール・エグリゴリ。お前は、私に執着してしまったがためにザフィーラとシュリエルを意識の外に追いやった。その結果が、今の状況だ。そのようにエヴェストルム2本によって胸と腹を貫かれた」

ミュールは2本の“エヴェストルム”によって背後から胸と腹を貫かれていた。柄を握っているのはザフィーラとシュリエル。超音波で倒れた2人をその場で確実に討っておくべきだった。それを怠り、私の――古の王の殺害と言う目的に固執したのが失敗。

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