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レーヴァティン
第百八十七話 オデッサからその五

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「随分と苦労した」
「そうだったんだな」
「話し合いで解決を言ってもな」
「その仕方次第か」
「そうだった、しかし」
「それでも俺達は使者を送るばかりでな」
 それで降伏を促していたことをだ、久志は振り返った。
「いい条件を出してもな」
「一方的だったな」
「会談は考えていなかったな」
「そうだったな」
「その辺り怠慢だったな」
 久志はウォッカを飲みつつ苦い顔で言った。
「俺にしても」
「そうだったな、しかしな」
「これからはか」
「そうすればいい」
「会談も選択に入れてやっていくか」
「それがいい、そして何はともあれな」
「コサックもカフカスも帝国に入ったな」
「そうなった、コサックも強いがカフカスの兵も強い」
 彼等もというのだ。
「だからだ、俺っちも苦労の介があったとだ」
「思ってるな」
「確信している」
「ああ、お陰でカフカスも手に入れてな」
「強力なコサック達もだからな」
「かなりだぜ、もう後はな」
「このオデッサからだな」
 芳直はこの街からと話した。
「攻めていけるな」
「ああ、クリミアとかも掌握してるよな」
「そちらもな」
「それじゃあ後はな」
 久志は芳直に笑って話した。
「準備が整ったらな」
「北上していくな」
「オデッサからも攻めて」
「ロストフからもだな」
「そうして攻めるな、川を使えば」
 そうすればというのだ。
「移動も補給も楽だしな」
「それが本当に大きいな」
「ああ、川を使えたら」
 それならとだ、久志はさらに話した。
「本当に戦いやすいな」
「どう有効的に使うか」
「それで全く違うな」
「ああ、俺っちはバイキングだからな」 
 芳直は久志に笑って話した。
「そのことはな」
「最初からわかっていたんだな」
「バイキングは海だけじゃなかったんだよ」
 ここで自分達が起きた世界のことを話した。
「川も使ってな」
「欧州中で暴れ回ったんだったな」
「ロシアでもな」
「そうだったな」
「海から攻めて川も使って」
「神出鬼没でな」
「それが強みだったんだ」
 急に来て暴れ回り破壊と略奪の限りを尽くして去って行く、バイキング達は海や川でそうしていて恐れられたのである。
「だからな」
「川のことも知っていてか」
「今回もな」
「それでいくことにだな」
「大いに賛成さ、どんどんやっていこうな」
「ああ、目指すはモスクワでな」
「ペテルブルグだ」
 この街もというのだ。
「攻め取ろうな、北の大国もな」
「攻めていくか」
「あの国は陸軍は凄い」
 こちらの軍はかなりのものだというのだ。
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