暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga21再起〜One step of return〜
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う途中、「あ、今から帰り?」って声を掛けてきたフェイトと、「お疲れさま〜」って手を振るアリシアとバッタリ会ったから、あたしらも「お疲れさん」と返した。

「そういやさ。エリオとキャロ、どんな感じだ?」

「あー、うん。やっぱり落ち込んだままだよ」

「ルシルやアイリと最後に会ったのが、エリオとキャロ、スバルとティアナだからね」

「これからT.C.の追撃を行うって言っていたルシルとアイリに、無理にでも付いて行けばよかったって後悔してる」

「無理もないわね・・・。最後に逢って、そして話したのだから、余計に責任を感じちゃうわよね」

ルシルはセインテストの宿願のため近い内に死ぬ。それはみんな知ってて覚悟もしてた。けどさ、ルシルは“エグリゴリ”との最期の戦いに挑むときはちゃんと挨拶してからって言ってたのに、それを果たすことなく死んじまった。だから今のイレギュラーな状況はあたしらはもちろん、管理局を混乱させるには十分だった。

「エリオ達には、気にするな、としか言えんが・・・」

「うん、大丈夫。2人もそうだし、スバルとティアナももう子どもじゃないから、必ず立ち直ってくれるよ」

「ていうか、立ち直ってもらわないと困る。私たちだって立ち直ったんだから・・・。それよりも問題はそっちの方が大きいでしょ? はやて、もう2週間以上も家から出ないって話だし」

アリシアにそう言われたあたしら八神家は顔を見合わせて、シャマルが「どうすればいいかしら?」って溜息を吐いた。はやてはルシルの死で精神を病んで、今は休職中だ。葬式の時も車椅子でしか動けなくなっちまってたし、今は自分の部屋に引き籠ってる。

「主はやてが自力で立ち直るのを待つしかないのだろうが・・・」

「何か力になれないかな〜・・・?」

「アインスとリインも、いつまでも休ませておくのもね」

「ルシルのバカが、逃げるような真似をしなけりゃまだ・・・」

あたしはルシルへの怒りで自分の左手の平に右拳を打ち付けた。誰も口にはしねぇけど、ルシルが招いた現状に怒りを覚えてる奴もいるはずだ。

「はやてを立ち直らせるにはやっぱり・・・目的が要ると思う」

「「「目的・・・」」」

あたしとシャマルとアギトが繰り返し、シグナムが「やはりか。しかし・・・」って唸ってからオフィスを見ると、あたし達もフェイトとアリシアもオフィスに振り向いた。

「シャルと、ミッドに居るトリシュは復讐の鬼として。私たちは・・・管理局員としての義務や、ルシルとアイリの無念を晴らすため」

「それは理解しているが、主はやてには・・・」

「難しいわ。はやてちゃんの人生そのものだった目的は、ルシル君と正式に結ばれて夫婦になること。それがいきなり根底から崩れて・・・」


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