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MOONDREAMER:第二章〜
第三章 リベン珠
第4話 始まった冒険
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これからもこの妖精が住める幻想郷を大切にしていかなくてはいけないと思うのだった。願わくば外界に再び妖精が住める場所が出来たらいいとは思うが、それが叶うのは難しい問題だから。
 大切にしなくてはいけない存在……。だが勇美は今こう思っていた。
「さすがにこうも出て来ると少し煩わしいねぇ……」
 それが彼女の本音であった。いくら貴重な存在といえど、こうもわらわらと出現すると嫌気の一つや二つは感じてしまうのだった。
 ゲームで言えば、強いアイテムは入手が困難で数個しか手に入らないのがいいのであって、それが何十個も手に入っては有り難みが薄れる……そんな感じであろう。
 とりあえず、そう思う勇美は二匹目の妖精へと弾丸を発射し、それも自然へと還したのであった。
 その動作を勇美は難なく行っていっていたのだ。何故なら今まで幻想郷の猛者とばかり戦って来たのだから、これは朝飯前なのである。
 これは、順序が逆になってしまったといえるだろう。本来ならばこういう妖精達のような対処しやすい者で練習を積み重ね、その後で有力者と戦うのが現実的な流れというものだったのだ。
 しかし、勇美は依姫に師事した事により、その順序が狂ってしまったようだ。最初から有力者達と戦う羽目になったという訳である。
 だが、それは決して損はしていないだろう。寧ろ多少無茶な背伸びをした事により勇美は十分すぎる成長を遂げられたのだから。
 取り敢えず勇美は思う。弾幕ごっこのノウハウを飛ばして学んでしまったのなら、今から地に足を付けて基本も押さえていけばいいのだと。
 そうこう彼女が思う内に、今回の彼女が対処した妖精の群れは綺麗に片付ける事が出来ていたのだった。
「鈴仙さん、こっちは済みました。あなたの方はどうですか?」
「大丈夫よ。こっちももうすぐ片付きそうよ」
 そう勇美に言った鈴仙は、すぐに再び妖精達へと向かい合っていた。そして、彼女も手に持った銃を妖精の一体へと向ける。
 その銃はルナティックガン。まるでSF映画に登場するような、いかにも『近未来の銃』といった外観をしていた。そして、特筆すべきは、これは彼女の手作りの銃という事であろう。
 鈴仙は手先が器用なのであった。故に、永琳から学んだ技術を飲み込み、自分のものにするのは容易だったという事である。
 そんな師弟の絆の産物とも言える銃の引き金を彼女は今迷わずに引いたのである。
 すると、そこから絵に描いたような弾丸状のエネルギー弾が発射されていった。それは他でもない、鈴仙自身が弾幕に使用する彼女の力で生み出される弾丸であったのだ。
 つまり、このルナティックガンは鈴仙の力で生成した弾丸を撃ち出す代物という事である。
 それならば、直接彼女が生成した弾丸を敵に撃ち込めばいいと思うだろう。だが、この銃は籠めた弾丸の発射精度
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