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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
最終章:無限の可能性
第273話「その想いは、決して阻めぬ祈り・前」
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ぎ払え!」

 次の行動の前に、極光が司を襲う。
 司は目の前の“天使”への追撃を止め、“祈り”を斬撃として薙ぎ払った。

「皆、お願い!」

 さらに先手を取って追撃を妨害してくる。
 しかし、司はプリエール・グレーヌを使ってそれ以上の妨害を許さなかった。
 迎撃、相殺、障壁。あらゆる魔法を“祈り”と共に展開する。

「あと、一人!」

「かはっ……!?」

 連携を崩された今、“天使”一人では司に成す術はない。
 必然的に、また一人“天使”の“領域”が砕かれた。

「ッ……!」

 そして、ここまで来れば相手の動揺も相当なものになっていた。
 既に司に苦戦する要素はなく、一切苦戦する事もなく最後の“天使”も倒された。

「……残りは……」

「くっ……!」

 残ったのは神一人のみ。
 その神も、最初の威勢はどこへ行ったのやら。
 完全に司の勝利が確定していると見える程だった。

「容赦はしないよ」

 巨大な魔法陣を中心に、いくつもの魔法陣が重ねられていく。
 同時に、“祈り”も束ねられ、巨大な魔力がそこへと集う。

「くそっ……!」

 先手を取った妨害が司を襲う。
 しかし、並列展開された極光がその攻撃を相殺した。
 同時に、魔力の充填が終わる。

「これで、終わ―――ッ!?」

 いざトドメの一撃を。
 そう司が宣言しようとした瞬間、体の全機能が一時停止する。

「な、にが……!?」

 まるで、“トドメを刺す”という行為そのものを妨害されたかのような気分。
 そう思った瞬間、司は悟った。

「……来たんだ。私の、本当の天敵が……!」

 いつの間にか、“早い性質”の神の隣に、別の神がいた。

「さしずめ、“妨害の性質”……!」

「……ご名答」

 口角を上げ、司の言葉に気味の悪い笑みを返す神。
 問答無用な行動の阻害。
 祈梨から聞いていた通り、理不尽に厄介なのを司は身をもって知った。

「(出来れば、“早い性質”の神は倒しておきたかったけど……)」

 シュラインを握り直し、司は構える。
 先ほど攻撃を妨害された事で、司は体で理解していた。
 ……ここからが、本番なのだと。




















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