第二章
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「これ位だと毎日お風呂でゆっくり温めていくとよくなりますよ」
「お風呂ですか」
「はい、そちらにゆっくりと入っていれば」
毎日そうしていると、というのです。
「特にお湯に入って温めてお水で一旦冷やしてまたお湯に入って温めますと」
「いいのですか」
「そうです、毎日そうしていけば」
「それで腰も膝もよくなりますか」
「飛べる種類の鳥の方は飛ぶことが多いですが」
「はい、わしもです」
「腰も膝も大事ですね」
翼だけでなくというのです。
「お家の中では歩きますし」
「木の上にも停まりますし」
「ですから気を付けて下さい」
腰や膝のことをというのです。
「くれぐれも」
「わかりました、お風呂ですね」
「毎日入られて下さい」
「そうします」
じいさまはお医者さんの言葉に頷きました、そうしてお家に帰って奥さんに事情をお話すると奥さんも言いました。
「じゃあこれから毎日お風呂に入るのね」
「それで腰や膝が楽になるならいいな」
「そうね、案外楽に治るものね」
「そうだな、もっと何度も病院に行って治療を受けると思っていたが」
「それで治るならね」
「毎日お風呂に入ろう」
こう奥さんに言いました。
「そうしよう」
「そうですか」
「これからな」
こう言ってそうしてでした。
じいさまは実際に毎日お風呂に入ってじっくりと温まることにしました、そしてお湯で身体を温めた後で冷たいお水のシャワーを浴びてまたお湯のお風呂に入ることを繰り返していますと。
自然と腰と膝が楽になりました、それだけでなく。
「翼の付け根の凝りもなの」
「ああ、ずっと悩んでいたがな」
こちらのこともというのです。
「そちらも随分と楽になった」
「そうなのね」
「まさかそこまでよくなるなんてな」
「そのこともよかったわね」
「うん、病院に行ってよかったよ」
じいさまは奥さんに笑顔で言いました。
「本当に」
「そうでしょ、無闇に嫌うんじゃなくてね」
「行くべき時は行くことだな」
「そうよ、じゃあこれからもね」
「お風呂に入ってだな」
「病院に行くべき時は行くことよ」
「そうするよ」
じいさまは奥さんに笑顔で言いました、そしてです。
毎日お風呂に入って病院に行くべきだと思った時は行く様にしました、もうすっかりお年寄りのじいさまですが一つ教訓を得たのでした。
ブラウンじいさまのお話U 完
2020・9・30
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