暁 〜小説投稿サイト〜
少年は勇者達の未来の為に。
鷲尾須美は勇者である 再臨の章
第六話
[8/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
銀の問いに蓮が遠い目をしながら答える。今、園子が着ているニワトリの見た目の着ぐるみパジャマを見た時も驚いたが、蓮はTシャツ一枚でその衝撃をはるかに超えていった。

実はこれには唯香が関係しており、合宿に行く前日、唯香が上機嫌で庭の野菜にホースで水やりをしているときだった。
歌いながら水やりをしていた唯香はその時のテンションに身を任せ、ホースを《《振り回して》》しまった。
結果、ホースの水は蓮の荷物に直撃。他の服も無かったため、仕方なく蓮はこのTシャツを持って来たというわけだ。因みに唯香は土下座した。

その時のことを思い出し頭が痛くなる蓮。違う話題にしようと銀が再び口を開いた。

「あー・・・そういや蓮の家って農家なんだっけ?」

「あぁ、そうだよ」

「何育ててるの〜?」

「そうだねぇ・・・学校の近くにある商店街の八百屋、あるじゃない」

「うん」

「あそこに売ってるものは全部育ててるかなぁ・・・」

「「全部!?」」

「すご〜い!」

蓮の思いがけない答えに、驚く三人。それもそのはず、その八百屋の品揃えも決して悪くなく、それどころかスーパーにも負けず劣らずだったからだ。

なぜそんな凄い家にあるTシャツがそんななのか、と思わずにはいられない銀と須美であった。


「さて、いい時間だしそろそろ寝ようか。明日は5時起きだから、早く寝ないと辛いよ?」

「そうよ銀。ほら、早く目を閉じて寝なさい。電気消すわよ」

「いやいや蓮さんに須美さんや、合宿初日に直ぐに寝られると思っているのかね? ここは1つ、定番の恋バナでもしようじゃないか」

「それって男子混ざっていいものなの?」

「お〜恋バナ! ミノさんは誰か好きな人いるの?」


話をいいところで終わらせ、布団に入る蓮。須美もそれに続き、電気を消して同じように布団に入る・・・が、銀は布団に入るものの眠る気配はなく、園子も同じく布団に入り、銀の話に乗る。そんな2人に蓮は少し笑い、須美は呆れたように溜め息を吐く。

園子に聞かれた銀は少しの間うーんと唸りつつ考える。好きな人、というか好きな男子。行動や考えが少し男子寄りの銀にはあまり意識したことが無い話題だった。そもそも、進学してからよく付き合う男なぞ家族を除けば蓮くらい。では蓮のことを好きか?と問われればもちろんYESだ。友人として、が前提だが。

「居ないな!」

銀はキメ顔でそう言った。知ってたと須美はまた呆れ、蓮もまぁそうだろうなと頷いた。

「須美はどうよ?」

「私も居ない・・・わね。うん、居ないわ」

 

一瞬自分を守る蓮の姿が浮かんだものの、須美は首を振ってそう答える。そもそも、自分はまだ恋というものがよくわかっていない、今は大事なお
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ