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少年は勇者達の未来の為に。
鷲尾須美は勇者である 再臨の章
第六話
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安芸にとって驚きと喜びの結果をもたらした4人だったが、壊す必要のないバスを銀が壊してしまった為に、鬼と化した安芸が怒りまくり、直接的な原因である銀に至っては拳骨を喰らい大きなタンコブを作られていた。

「何もあそこまで怒らなくてもなぁ・・・おっ!須美!園子!露天風呂だって!行こうぜ!」

「わ〜い、行こう行こう〜」

「あっ、ちょっと二人とも!」

気持ちを切り替え、露天風呂へと走る銀と園子。その後を須美が追いかける。

「うひゃ〜これが露天風呂か〜」

「大きいね〜」

「ほんとね・・・あれ?何か聞こえる・・・?」



〜? 〜♪



露天風呂に出た三人がその広さに感動していると、隣から聞こえる歌声に須美が気付く。

「およ?、蓮の声じゃん。」

「れー君が歌ってる〜!上手〜!」

「私たちが来たのも気づいてないみたいね・・・」

邪魔するのも無粋。という事で、蓮の歌を皆で傾聴する時間となった。蓮は須美たちが露天に来たことに、全く気づいておらず、須美達が歓声を送るとかなり驚き、顔を真っ赤にさせながら露天風呂に沈んだ。
















「やっぱりさ、僕違う部屋行こうか?」


風呂に入り、夕食を終えて後は寝るだけとなった時間に、蓮は部屋の窓際に設置されている椅子に座りながら提案し、部屋の中を見る。そこには布団が4人分敷いてある・・・つまり、そういう事。『ここで一緒に寝ろ』という事だ。いくら仲が良いと言っても家族と一緒に寝るのとはわけが違う。蓮がこう言うのも無理はなかった。

「え〜? れー君も一緒がいいよ〜」

「蓮なら大丈夫っしょ、変なことしなさそうだし」

「そうね。他の人ならともかく・・・蓮君の普段の行いなら、変なことはしないと信じられるもの」

「ん〜まぁ皆がそれでいいなら、良いけども」

信用されていることに嬉しくなりながら、椅子から立ち、1つの布団の上に胡座をかいて座る。布団は頭同士を向かい合わせにしたものを2セット。蓮が座ると素早くその隣を確保する園子が居た。蓮の向かいには須美が、斜め向かいには銀が座り込む。
ふと、銀が蓮が着てるTシャツに言及した。

「なぁ蓮・・・そのTシャツさ・・・」

「あぁ、これね・・・」

銀が蓮に来ているTシャツについて聞く。ぱっと見、白い普通のTシャツなのだが・・・
問題はTシャツの胸から下にかけて大きな字で、

      農

      業

      王

とプリントされている事であった。

「一応聞くけど・・・蓮のセンス?」

「違う。これしか家になかったんだ」

「なんで?」

「まぁ、色々あってさ・・・」


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