鷲尾須美は勇者である 再臨の章
第六話
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濃くなり、蓮が盾アーツを展開する。しかし、アーツの時間限界が超えてしまい、シールドが割れる。二人は武器で弾き始めるが、そうすると走る速度は落ち、防御しきれない箇所も出てくる。
「クッソ、限界か!」
「ミノさん!」
「蓮君!」
蓮がアーツの限界を告げると、銀の前に園子が穂先を傘状に展開した槍を前にして出ることでカバーし、蓮が防ぎきれないボールを須美が後ろから矢で射抜く。
このボールは全てバーテックスの攻撃――――
先ほどの安芸の脅しで蓮たちにもスイッチが入った。体力、精神力も限界の四人だが、自分のミスで仲間が、大切な友達が『死ぬ』。それだけはダメだという一心で動き続けていた。
「わっしー、れー君の右側!」
「了解!」
「ありがとう須美ちゃん!うぉりゃあ!」
「ナイス蓮! これでゴール・・・っ!?」
「っ!銀ちゃんっ!」
蓮の右から迫るボールを須美が射抜き、余裕が出来た蓮が銀の死角から迫るボールを斬り飛ばす。そしてもう少しでゴールであるバスへと届く・・・というところで、銀へとボールの集中砲火。その数10。万全の銀なら、その双斧を瞬時に振り回して迎撃出来る数。
だが、疲れきっている今の銀では5つがやっとだった。そして、迎撃を選んだことで斧を盾にするのは間に合わず、ほかの三人も即座には動けない。蓮は銀の名前を叫びモナドをかざした。
本来ならばなんら意味のない行為だった。盾アーツは展開時間を超えており、展開できたとしてもモナドを中心に張るもの。飛んでいる銀には届かない。しかし―――――
蓮がモナドをかざした瞬間、鍔の穴に『盾』の紋章が浮かび、銀を中心に黄金のバリアが張られた。
「・・・!?銀ちゃんそのまま行って!」
「!わかっ、たぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
銀を中心に張られた盾アーツが残りのボールを弾き、窮地を乗りきった銀は蓮に言われるままにゴールであるバスに突っ込み――――
何故か、思いっきり双斧でバスを切りつけた。
「「・・・あ」」
須美と園子は呆けた顔で言葉を漏らす。この訓練はたどり着くのが目的であって、『叩き壊す』のが目的ではないためだ。2人が恐る恐る安芸の顔を除くと―――――鬼がそこにいた。
「やっ、たー・・・」
「銀ちゃーん、大丈夫ー?」
銀が大破したバスの横に寝ていると、蓮が迎えに来た。
「蓮、うん、大丈夫」
「良かった。それにしても・・・・」
蓮が大破したバスをもう一度見る。
「派手に壊したねぇ・・・」
「・・・あれっ壊すんじゃなかったっけ?」
「たどり着くだけで良かったんだよ。それ
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