鷲尾須美は勇者である 再臨の章
第六話
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場が地震のせいで、一部倒壊してしまったそう。
その為、今回の合宿は決行が危ぶまれたのだが、安芸先生の説得により『じゃあウチが』と手を上げてくれたそうな。
「せんせー!今から行く家、どこでしたっけー?」
「三ノ輪さん・・・先ほども言ったでしょう?『秋原家』ですよ。私たちはこれからそこの訓練場を使わせてもらうんです」
銀ちゃんの元気な声に先生が少し呆れた声で返す。まぁ出発前にも言ってたからね・・・
・・・それにしても
「秋原家、か」
「蓮君、秋原家がどうかしたの?」
「ああ、いや、家でモナドについて調べててさ、歴史書にその名前があったから」
確か秋原家も白鳥家と同じで、大昔に違うところから四国に来たんだったか。大赦の中では中堅辺りにある家だ。
そういえば他にもあったな・・・白鳥家と仲が良い藤森家、あと海の近くに居を構えてる古波蔵家だったっけ。
「・・・スヤァ」
「いつも気持ち良さそうに寝てるわね、そのっち」
「そうだね。僕の膝の何が良いのかな?」
「ダメだよサンチョ〜・・・れー君齧っちゃ〜・・・」
「おい蓮。夢で喰われてるぞ」
「凄い夢だね・・・」
そんなのこちゃんの寝言に苦笑を浮かべつつ、僕は窓から見える外の景色を眺めながら、昨日やった合宿前の勉強会を思い出した。それは僕達の勇者としてのお役目、神樹様のこと、バーテックスのこと等の復習だった。尤も、復習なのだから真新しい情報等なかったし、聖剣の事についてもサッパリだったが。
四国をぐるりと囲う高い壁。それは四国を守る神樹様が聖剣様と共に人類を護る為に作り出した結界。その外には死のウイルスが蔓延し、バーテックスはそのウイルスから発生する。バーテックスは結界を越えてやってきて神樹様を目指し、神樹様を殺そうとする。神樹様が殺されると結界は消え、世界は滅ぶ。
勇者の力は、人類がバーテックスに対抗する為に神樹様から分けていただいた力・・・なのだがどうも納得がいかない。
(勇者の力はバーテックスに対抗するための力。なら聖剣は何だ?ウィルスが原因なのに何故剣なんて武器が存在する?)
まだある。ウィルスが原因ならば壁の外に行って根絶しなければならないのでは無いか、そも何故モナドが最後の希望と呼ばれているのか・・・謎は深まっていくばかりだった。
(・・・まぁ今はそこまで深く考えなくても良いかもね。確定しようにも情報が少なすぎるし)
のこちゃんの頭を撫でながら、思考を止める。世界の真実がどんなものであろうと、僕のやるべき事は変わらない。皆を守って、ついでに世界も守る。その為に聖剣を振るうだけだ。
「わっしー・・・それはミノさんだよ〜・・・れー君はこっちだよ〜・・・」
「私は銀に一体何をしてる
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