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少年は勇者達の未来の為に。
鷲尾須美は勇者である 再臨の章
第五話
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「大丈夫よ蓮君! 私達を・・・信じて!」

そんな須美の声が聞こえた瞬間、蓮は見た。須美の前に現れた菊の紋章、それを彼女の放った矢が通った瞬間矢が巨大化し、分銅に当たって貫いた瞬間を。

「ミノさん行くよ〜」

「おう!やるぞ園子!」

「「はあぁぁぁぁぁぁ!」」

須美の矢で完全に回転が止まり、そこに畳み掛けるように槍と斧を振り、バーテックスの両肩らしき部分を貫き、切り裂き、もぎ取った園子と銀の姿を。

「蓮君!」

「蓮!」

「れー君!」

「・・・!りょぉぉぉぉかいっ!」

蓮は笑顔を浮かべ、再度バーテックスへと接近する。
もう一度刃を形成させ、バーテックスが出した風の勢いを利用し、回転しながら切り刻む。

桜の花吹雪が巻き起こったのは、余すこと無くバーテックスを切り刻んだ蓮が着地し、モナドを納刀するのと同時だった。









「・・・ふぃ〜」

モナドを納刀した僕は、その場に座り込んでしまった。疲労もあるが、一番は緊張が解けた為だった。

「今回は、結構思い通りになった。気がするな・・・」

モナドの新しい力のお試し、四人での連携、かなり上手くいった。まだ二回目とは思えないくらいだ。

「お〜い!れ〜ん!」

遠くから銀ちゃんの声が聞こえる。皆で迎えに来てくれたらしい。

「お〜い、ここ、ここ〜」

僕も3人に向かって手を振る。すると、須美ちゃんが猛スピードで僕に突っ込んできた。

「げふぅ!?」

「蓮君怪我は!?大丈夫!?」

(前にもこんなことあったなぁ〜)
「大丈夫だよ、須美ちゃん。怪我もほとんど無いから」

今回傷ついたのは僕だけであり、その傷も勇者の力によりもうふさがっていた。

「良かった・・・!本当に・・・!」

須美は泣いていた。彼女が泣いた理由は、敵に対する恐怖ではない。蓮が『いなくなる』かもしれない。それに対する恐怖と、それがなくなったことに対する安堵の涙だった。

「おぉ、よしよし・・・もう終わったからね」

泣きじゃくる須美ちゃんを撫でる。
・・・にしても何か、忘れてるような?











「おやおや〜?須美〜、いの一番に駆けだしたと思ったら〜?」

「わっしー一人だけずる〜い!私もれー君になでなでして貰う〜!」

「ヒャッ!?!?!?」

「そういやまだ樹海の中だったねぇ」

後ろから声をかけられて驚く須美ちゃん。銀ちゃんがからかい、のこちゃんが突っ込んでくる。

「れー君私もなでなでして欲しいんよ〜」

「あ!須美も園子も待て!アタシもして貰う!」

「あば、あばばばば」

「須美ちゃんが壊れた・・・恥
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