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少年は勇者達の未来の為に。
鷲尾須美は勇者である 再臨の章
第五話
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「はい?」







「ぴっかーんと閃いた!」

 











「じゃあ、頼むよ、三人共」

「おう!」

「1!」

「2の」

「「「「さぁーんっ!」」」」

腰を落として腕を下ろした姿勢で手を組み合わせた三人に向かって蓮が走り、お互いに声を出しあってタイミングを計り、蓮の右足が三人の手に乗った瞬間に思いっきり腕を上げて蓮を上空へと向かって投げ、タイミング良く蓮も飛び上がる。お互いにお互いを信じ、事前に連携訓練をしていたからこそできた芸当である。


(・・・見えた!)

飛びあがった蓮は上空から回転するバーテックスの中心部に目を付けた。すると蓮は体の向きを変え、一直線にバーテックスの頭上へ落ちてゆく。

(のこちゃんの言う通りだ・・・!)





『それだよ!ミノさん!竜巻なら真ん中は風が無いんじゃないかな!?』

『じゃあ奴の頭上から攻撃するのか?でもどうやって・・・』

『みんなで一緒に持ち上げるんよ!ぐわーって!』

園子が手を組み、例を見せる。

『でもそのっち、良い作戦だけど誰が行くの・・・?』

『やっぱりここはアタシが』

『いや、僕が行くよ』

銀を遮り、蓮が声を上げる。

『なぁっ!?どうしてだよ蓮!』

『落ち着いて銀ちゃん、ちゃんと理由はあるよ』

蓮が言った理由はこんなものだった。
奴の中心がどうなってるかわからない事。もし無風状態だったとしても、バーテックスが奥の手を用意していないとは限らない。その為、モナドで(シールド)アーツを張り、防御が可能な自分が適任だろう。という事だった。





自身の頭上から落下してくる蓮に気づいたのか、ライブラは蓮に向けて風の刃を放つ。

「そうだよねぇ!やっぱあるよね、奥の手ぇ!」

そう叫ぶと、蓮は(シールド)アーツを自身の周囲に展開させ、風の刃を防ぐ。
防ぎ切った蓮は(シールド)を解除し、もう一度強く念じた。

(コイツを・・・敵を、ぶった切れるような、力を・・・!)

すると鍔の部分の穴に『斬』と表示され、モナドの先端部分が開き、青い刃が形成された。

「これなら・・・どうだぁ!!」

蓮はそれを、力いっぱいバーテックスに向けて振りぬいた。

バーテックスには以前と比較にならないほどの傷をつけることが出来た。しかし

「・・・まだ、足りないか!」

蓮の斬撃により、全体像が見えるくらいには回転は弱まっている。しかし、それでも遠心力で分銅が浮き上がるくらいには速度が出ていた。本来の作戦ではこの一撃で停止させ、総攻撃のはずだったので、それを見た蓮の口から悔しげな声が漏れる。

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