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少年は勇者達の未来の為に。
鷲尾須美は勇者である 再臨の章
第五話
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の矢が飛んでいき・・・またも分銅に吸い寄せられた。

(・・・連射は可能、か)
「須美ちゃん、どう思う?」

「遠距離からの攻撃はあの巨大な分銅に吸収されるみたいね・・・矢は刺さってるから、何度も射れば壊せるかもしれないわ」

「なら相当な数撃たなきゃだね・・・コレ、あんまり威力無いみたい・・・」

そう言われ、三人はもう一度分銅を見る。須美の矢は深々と突き刺さっていたのだが、蓮の矢は表面に軽く衝撃の跡をつけただけで、刺さってはおらず威力の違いを物語っていた。

「れー君のは連射ができるけど〜その分威力が低いのかな〜?」

「そうみたい・・・牽制ぐらいにしか使えない、か」

「でもさ、コレって滅茶苦茶凄いんじゃないか?剣なのに遠くからも攻撃できるんだろ?」

「まぁ・・・そうなんだけどね」

期待していたものと違いしょげてしまう蓮。それを見たのか、フォローしてくれる銀。
確かに彼女の言う通りかなり凄い物ではあった。でも、威力がなぁ……と思わざるを得ない蓮であった。

「まぁこれについては後で考えるとして・・・取り敢えずは撃ちまくる?」

「そうだね〜、このままなら、れー君とわっしーに撃ってもらった方が安全かな〜?」

「・・・あれっ、コレってあたしの出番無し?」

「まぁ、安全なことに越したことはないから・・・今は任せてよ。ねっ?」

「・・・じゃあしょうがないか」

威力はともかく結果としては上々。むしろ反撃してこない現状からすれば、前回のバーテックスよりも楽に終わるとも思ってしまう。だが、その程度で終わるはずもなく。バーテックスが、突如その体を独楽のように高速で回転させ、4人目掛けて突撃してきた。

須美と蓮がそれぞれ矢を放って迎撃しようとするが、高速回転するバーテックスに弾かれる。2人は同時に舌を打ち、蓮と園子、須美と銀にわかれて左右に跳び、突撃を回避する。

「流石にそう甘くはないか・・・」

「あれじゃ近付けないね〜」

「くっそー、近付けたらぶった切ってやるのに!」

「っ! また来るわ!」

バーテックスが再度、その巨体を回しながらぶつけに来る。蓮たち4人は必死に避け続ける。
大した速度ではないため、避けること自体はできるものの、銀と園子は近づけず、須美と蓮の攻撃は致命打にはならず、歯噛みする状況だった。
ここで倒さなくては、彼ら勇者が無事でも樹海や神樹様が傷つけられたら意味が無いからである。

「さてさて・・・どーしたものか。のこちゃん、案、あるかな」

「えっ? うーん・・・うーん・・・」

「くっ・・・回転さえ止まれば・・・」

「あーもう! あんな竜巻みたいな奴どうすればいいんだよー!!」

「っ! ミノさん、それだぁ!」

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