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少年は勇者達の未来の為に。
鷲尾須美は勇者である 再臨の章
第二話
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がりボーッとして過ごした。







「・・・ふふ♪」

その日、帰った後園子は自宅のベッドの上で今日の出来事を思い出していた。思い出すだけでも思わず笑みがこぼれる。

「ねぇねぇ〜聞いてサンチョ〜」

園子は自身のお気に入りの抱き枕、サンチョに話しかける。小さい頃からの声無き友人だった。

「今日ね〜わたし〜」


















「友達が、できたんよ〜」


















鷲尾須美は護国思想の持ち主で、『お役目』という使命に燃えている少女だった。
そして、同じお役目を担い、自分と似た境遇にいる蓮に興味が湧いていた。

須美は蓮が乃木、上里、高嶋、土居、伊予島、鷲尾、三ノ輪、白鳥、赤嶺、藤森、郡。大赦の中でも高い地位に存在する名家から、勇者や巫女が排出されるという掟に従って別の家から養子に出された。という事を義父から説明されていた。そして、彼が聖剣を抜いたことも。

どんな人なのだろうか。おとぎ話や英雄譚に出てくる様な人物なのか。それとも自分と同じくお役目に燃える人物なのか。

そんな事を考えていた。

彼。白鳥 蓮が転校してきて一ヶ月が経つ。

「おはよう、鷲尾さん」

「白鳥君、おはよう」

挨拶を交わす。そして、須美は自分の席に着く。
未だに須美は蓮とまともに会話できずにいた。

(白鳥君・・・またあの二人と居る・・・)

須美の視線の先には、自分の椅子を蓮の机の近くに持って行き、頭を置き眠っている園子と、園子の頭を撫でながら銀とおしゃべりを楽しんでいる蓮、蓮とイネスや学校の事について話している銀の姿があった。
今日、銀は遅刻せずに来れたらしい。
そんな三人を見ながら須美は考える。

(本当に私と同じ勇者・・・なのよね?)

似た境遇・・・と言っても蓮と須美はまるで月とすっぽんだった。

生真面目で責任感が強く、護国思想と名家・鷲尾の名にかけて、お役目を全うしようと励むお堅い性格の須美。
かたやいつも自然体でいて、ゆったりしている蓮。そこには思想や名家の誇りだとかそんなものは感じられなかった。

不真面目では無いのは理解している・・・のだが観察すればするほど、何故彼が聖剣に選ばれたのか、お役目の重要性をちゃんと理解しているのか。わからなかった。

(私が意識し過ぎてる・・・だけなのかな・・・?)

まだ”お役目”は始まっていない。だからこそ油断してはいけないはずなのだが。

(あの3人を見てると、ね)

楽しそうに団欒する三人を見ているとこちらの気も抜けてきた。
また、変わらない一日が始まるのだろう。須美はそう思った。



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